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――結成はブリストルですが、あなた自身の生まれはロンドンだそうですね。
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| ルパート: |
そう。で、ブリストルに移ってから始めたのがこのバンドなんだ。でも、僕ら、もともとメンバー全員音楽性もバラバラでね。僕は現在30歳なんだけど、小さい頃から姉貴の影響でいろんな古いロックン・ロールを聴いて育ってきた。17歳の頃にはカムデンにある“BLOW UP”という60’sモッズ系クラブにスーツでビシッとキめて通ったもんさ(笑)。ブリストルに引越してからは、ちょうどマッシヴ・アタックとかトリッキーの全盛時だったし、フォーテック、スクウェア・プッシャーやエイフェックス・ツイン、ロニ・サイズのようなドラムン・ベースものをよく聴いた。ギャング・オブ・フォーみたいなのも好きだったし、クラフトワークやホワイト・ノイズらのエレクトロニック・ミュージックからも影響を受けたんだ。ベックの影響も受けたし、シド・バレットとかも好きだったことがあるよ。
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――そういった幅広い音楽趣味がそのままチキンキの混在した音楽性に現れているのでしょうか。
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| ルパート: |
そうかもね。ただ、最初は何も考えてなかったんだ。バンド活動が具体化してからは“アナログ・シンセを駆使したロックを作ろう”と話し合ったことがあったけどね。そうそう、自宅録音の1stアルバム『Experiment With Your Mother』(’01年)は、マルチ・トラックのレコーディング機材を駆使して実験的な試みに挑戦したんだよ。まさにベックの『メロウ・ゴールド』や初期のピンク・フロイド、後期ビートルズみたいにね。ただ、一つだけ言えるのは、ブリストルにはもの凄くエキサイティングな音楽シーンがあったけど、自分達がバンドを始めるにあたり、僕らが目指したのは“他とは違う音楽”を追求することだった。今回のアルバムはタイムレスで永遠に聴き継がれるような、3分モノの“ポップ・ソング”がほとんどだけどね。
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――’04年にアイランドから出た『Lick Your Ticket』では、ポール・オークンフォルドと共にハッピー・マンデーズなどを手掛けたスティーヴ・オズボーンが全面的にプロデュースしていましたよね。
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| ルパート: |
ああ、スティーヴは僕らのことをすごく買ってくれていてね。“ここ数年観たライヴ・バンドでは一番!”と絶賛してくれたらしいんだ。実は当初僕らはスティーヴのことをよく知らなくて、違うプロデューサーと組んでいたんだけどさ。でも、彼はいいプロデューサーだったよ。ところが、アイランド側がチキンキのプロジェクトに費用をかけすぎて、結局それに見合うだけの売り上げを残せなかったんだ(苦笑)。でも、今は違う。自主制作でしっかり作ったし、前作発表以降、かなりの本数のライヴをやってきた僕らは、より“ロック〜パンク寄り”なサウンドを好むようになったんだ。大半のバンドはロック・サウンドから始まり、徐々に複雑で洗練した音に挑戦していったりするけど、僕らはその真逆で、実験的な音楽から始まり、徐々にシンプルなバンド・サウンドへと進化したんだ。もともと昔から僕らはビーチ・ボーイズやフィル・スペクター、それからラモーンズが作ってきたような3分モノのポップ・ソングが大好きだった。今回そういった曲ばかりを集めたアルバムを今の時点で制作することは、僕らにとってはいい挑戦だったってことさ。
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――ザ・ゴー!チームやCSS、ボンヂ・ド・ホレといったバンドのような、一見享楽的だけどカオティックなエネルギーを持つバンドと共振しそうでいて、でも、かつてのブラーやパルプあたりを思い出させるキッチュさもあります。
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| ルパート: |
そうだね。ちなみに、ザ・ゴー!チームもCSSもボンヂ・ド・ホレも大好きだし勢いは共通してるとは思うけど、チキンキの音楽性とは違うよ ね。僕らの楽曲の方がよりダークなエッジがあると思うし、歌詞内容もダークなものが含まれている。今挙がった3バンドはどちらかというと“パーティ・ ミュージック”的要素が強いんじゃないかな。ほら、彼らって「ったく、やってらんねぇよ! 皆でパーッと騒ごうぜ!!」みたいな雰囲気だけど、僕らのアティテュードは違うからね。でも、ブリット・ポップ時代のバンドはブラーもパルプも僕らと同じようなアーティストから影響を受けてきたと思う。例えばキンク ス、ストーンズ、ビートルズなどの60年代ロック、70年代系ディスコ、それからパンク、というようにね。もちろん、一連のブリット・ポップ系は当時聴いてたけ ど、特に直接的な影響はないと思うな。とにかく、ポップ・ミュージックを作るにあたって必要なのは“よりオーガニックで本物を追求したサウンド”ってこと。正直言って、有名になることをひたすら目標にしたり、他のバンドのモノマネしてるだけのバンドが多すぎると思うよ、ホント。とにかく自分らしさを保たなきゃダメだってことさ、俺たちのようにね(笑)。
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| インタビュー・文 / 岡村詩野 |