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――あなたは19歳の時に南米に渡ったそうだけど、このきっかけは?
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| ジョシュア: |
ひとつの理由は、家を出る必要があったからなんだ。十代の頃って親とうまくいかなくなりがちだろ? 特に僕は反抗的で、若い頃はすごくワイルドだった。それでヴェネズエラへ渡って2年間生活することにしたんだ。人間、そういった変化が人生においては必要で、その経験によって目覚しい発見を得られることがある。僕はとても信仰の厚い家庭で育った事もあって、ヴェネズエラでは家を一軒一軒まわって僕の宗教について人々に教えたんだ。僕自身は、信仰の厚くない人間だとは言いたくないけど、今はその当時に比べると宗教に対して違った考え方を持つようになったね。神に対するイメージは人それぞれ違うだろうけど、僕にとって神はすごくミステリーなんだ。死後の世界があるって信じることは美しいし、励みになるけど、どうも僕にはしっくりこないんだよね。
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――それで帰国後音楽を始めたみたいだけど、それまでは全く音楽と関わりはなかったの?
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| ジョシュア: |
ほとんどなかったね。小さい頃母親にピアノを習わされたけど、嫌で仕様がなかった。今思うとそれが僕と音楽との最初の出会いで、その後はギターを少しだけ覚えて、カヴァー・ソングを友達の前で演奏したぐらいかな。変に聞こえるかもしれないけど帰国後、僕の中に“今まで想像もしなかったような人間になりたい!”っていう強い感情があって。父親が医者ってこともあって、僕もずっと医者か看護士か医療関係の仕事に就くって思ってたんだ。でも決してそうなりたかったわけではなく、そうなる他ないって思ってて。それできっと“正反対の事をやって生きていけたらなんて素晴らしいだろう?”ってふと考えたんだろうね。あまりにも極端で親が絶対嫌な顔をするような事をさ。もちろん音楽に興味があったっていうのが前提での話しだけど、“望まれた道を選ばなくても、自分がやりたいことをやれる!”っていう考えは大きなきっかけと言えるね。もしかすると音楽でなかった可能性もあるよ、芸術家やカー・レーサーになってたかもしれない(笑)。
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――でもそこで音楽を選んだからには、あなたにとって音楽は常に特別なものだったって事よね?
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| ジョシュア: |
もちろんだよ。多くの人にとってもそうだと思うけど、音楽っていうのは、素晴らしい感情の旅だよね。僕にとって音楽は、教会へ通ったり、聖書を読む事よりもずっとスピリチュアルな体験なんだ。見えない存在である神よりも、目に見える、自分とは違う誰かの言葉に感情移入できる事ってとても美しい事だよ。だから今の僕にとって音楽は宗教みたいなものさ。
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――子供の頃のあなたに宗教の教えって理解できた?
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| ジョシュア: |
できるわけがないよね。子供からしてみたら神も宗教も信念というよりは文化の一部に思えるんだ。例えば、ユダヤ人として生まれたら、死ぬまでユダヤ人だろう? それと同じでそういう考えを持った家庭に生まれた子はそういう生き方をするって教えられてた。それが正しいと教えられてたから疑う事はしなかった。コロンバスが発見するまで、人々は間違っているのにも関わらず地球は四角だと信じ込んでた。それと同じで、そうでない可能性がありながらも、信者ってのはそうであると確信を持っている。だから僕も22歳ぐらいになるまで、自分の考えを疑う事はしなかった。
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――初めてご両親に音楽の道に進みたいって伝えた時は反対されたんじゃない?
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| ジョシュア: |
そうだね、両親に初めて話した時、父親はものすごく反対したよ。今となっては音楽で道も開けてきたから大丈夫になったけど。当時は看護士になるためにユタ州の大学に通って薬学を学んでいて、ちょうど実が成りかけてた頃で、物事がすごいスピードで進み始めててさ。ツアーや楽曲制作に力を入れるか、音楽は趣味程度にして学問に力を注ぐかの決断を迫られてたんだ。それである日授業中に「あ〜もうだめだ!」って思って、クラスを出て、そのまま学校をやめちゃった事を今でも覚えてるよ。
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――そういった家庭環境で、どうやって音楽を始めたの?
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| ジョシュア: |
ギターを買って、曲を書き始めただけさ。僕の曲のほとんどは様々な“葛藤”を歌ってる。薬物中毒、宗教に対する不安、自殺やなんかね。僕自身が経験した事もあれば、家族や友人が経験したことがベースになってるんだ。人間が生きていくうえで経験する葛藤っていうのは複雑で、あらゆる面からの書き方ができる。僕が一番知識がある事が“葛藤”であって、もちろん“愛”について書いてもいいんだけど、やっぱり“葛藤”と比べるとさほど“愛”を理解してはいないからね。すごく悲しく聞こえるかもしれないけど、僕が痛みや辛さほど理解しているものはないんだ。
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――そのヴォーカルはもちろん、ステージ上でのパフォーマンスもとても独特だけど、そのスタイルっていうのはどうやって編み出して、どうやって身につけていったの?
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| ジョシュア: |
僕にも全くわからないよ。この声は生まれ持ったものだし、スタイルも自然と出来上がったんだ。自分の歌っている事に確信を持っているから、自分の持つ全てを注ぎ込んで歌っているだけだよ。特に誰かに影響されたわけでも、コピーしているわけでもなく、僕は僕なんだ。
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――アルバムのブックレットに「神と悪に感謝する」と書かれているし、MySpace上の“影響された人物”の項目にも“霊”と並んで“神”と“悪”が書かれているわね?
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| ジョシュア: |
リサーチしてきたんだね(笑)。これは、とても宗教的な考え方で…“霊”っていうのは色んな解釈の仕方があるんだけど、基本的には“過去”という意味を表しているんだ。自分の過去の経験、前世、友人達が経験してきた事なんかをね。それから“神”と“悪”は僕という人間、そして僕の書く音楽の大きな一部なんだ。なぜなら“神/善”と“悪”は常に戦いあっているから。例えば、ある行動に出ようか出まいかで悩んでいる時、人は自分の心の中の悪魔と天使の言葉に耳を貸して、答えを出すもんだろ? だからこれらの3つには非常に影響されているんだ。
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――“God/Lord(神)”といった言葉は歌詞にも頻繁に表れているけど、あなたにとって“神”はどういった人物?
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| ジョシュア: |
もうわからなくなっちゃったんだ。今出す答えは、2週間後には全く変わってる可能性がある、なぜなら2ヵ月前には全く異なったものだったからね。でも今その質問に答えるとしたら、「究極に神聖な人物/創造者/救済者」だね。存在する/しないに関わらず、呼びかける事で我々の不安を取り除いてくれる、我々の声を聞いてくれる誰か。僕にとって“神”は、慰めなんだ。彼が存在すると信じる期待感があるから、夜も眠れるし、人生に起こる事全てに意味や理由がつけられる。宗教で一番こわいのは、信者達は知らないにも関わらず本当の答えを知ってると思い込むこと。宗教っていうのは時には傷付けあったり、恨みあったりして、危険な事がある。“神のお告げ”といって他人を殺してしまったりするからね。それは僕にとってまったく理解できない。そんな事があると、1つの特定の宗教に属さず、単に良い人間として生きて行くだけではどうしてダメなんだ? って思ってしまう。だって良い人間には神も救いの手を差し伸べてくれるだろ? 僕はそう思うよ。
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――アルバムには「The New Love Song」と「Lovers Without Love」と愛についての歌が2曲収録されているけど、どちらも愛を信じていないような内容よね? あなたにとって愛とは?
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| ジョシュア: |
愛は美しくて、素晴らしくて、危険で、情熱的で、浪費してしまうものだよ。おそらく我々が存在している唯一の理由は、愛があるからなんだ。愛なしでは何事にも意味がないし、僕は愛を信じているよ。「The New Love Song」は世の中に充満しているくだらないラヴ・ソングをあざ笑っている曲なんだ。くだらないっていうのは意味を持たないって事で、聴けば分かるはずだよ。歌い手の感情が全くこもっていなくて、嘘八百並べただけの内容の曲に対するけなしさ。「Lovers Without Love」に関しては、愛というよりも人間としてこの場に存在している事について歌ったもの。毎日生活している裏には、実は平和や統一とは真逆のことが存在する。“Lovers without love like me”と歌詞に自分を含んだのは、僕も皆と一緒で、問題は誰にでも共通する事だって事を伝えたかったからなんだ。普段見過ごしがちな事を気付かせて、自分の快感帯から出て物事を考えようって事を皆に呼びかけてる曲なんだよ。まだまだ考えるべき事はこの世の中にはたくさんあるわけだからね。
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――“戦争”もあなたの音楽には欠かせないテーマだと思うんだけど、身近な人物に戦争を体験した方はいるの?
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| ジョシュア: |
何人かの友人が軍に入ってイラクへ行ったし、親戚に第二次世界大戦を経験した人もいる。僕にとっては戦争は意味がわからないんだ。どっちの国がより大きくて、所有している軍人の数が多くて、人をたくさん殺せるかといったことを示す事で強弱を判断するなんてわけが分からないだろう? ここ8年間続いている戦争が特にそうだけど、これまでにどれだけの家族が犠牲になったか考えると辛いよ。僕はそんなに政治的な人間じゃないし、専門的知識や用語はわからない。でも暴力、殺人、戦争、破壊といった事は絶対に許せないね。
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――最後に、今作を聴いた人にどういうメッセージが伝わる事を願っている?
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| ジョシュア: |
色々あるけど、何よりも希望を持ってもらえるといいな。至福の一時や家族、友人、恋人に対する愛を認識して、僕と何らかのつながりを持ってもらえれば嬉しいよ。「この曲の言いたい事が分かるよ」って思ってくれれば、たとえ直接会った事がない人であっても、僕らはつながっているって事になるからね。
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| インタビュー・文 / 猪俣ロミ |