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――なぜ映画を撮ることになったのか教えて下さい。
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| マドンナ: |
きっかけは、H&Mの洋服のデザインをしたときに、そのプロモーション用のコマーシャルを監督したこと。ニコラ・ドーリング(本作の制作会社HSIロンドン・オフィスの代表)と一緒に(H&Mの)CMを製作してから、映画の製作もしようという話で意気投合したの。私は常に映画の芸術性と素晴らしい物語を伝えられる能力に敬意を払ってきたし、30年近くカメラの前に立ち続けた結果、今度は行動でそれを示したいと思うようになったの。ダンサーだった頃から映画にはいつもインスパイアされてきたし、夫は映画監督。以前から映画を撮りたいという願望は秘かにあったけど、「監督したい」とは恐れ多くて言い出せなかったのよ。でもある日、ただ夢見るのはやめて、実際に作ろうと思い立ったの。そしてそれは、エージェントが仕切るハリウッド方式の作品ではなく、すべて私自身の中からでなくてはならなかった。そのためにも最初の映画の脚本を自分で書こうと決めたのよ。
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――実際に映画を監督してみた経験はいかがでしたか?
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| マドンナ: |
この映画の現場は、私にとって自己流で映画の製作を勉強する場でもあった。そして私は映画監督をするのが大好きだと気づいたの。カメラの後ろに立ち、製作に携わるということがね。
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――この映画のテーマについて教えて下さい。
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| マドンナ: |
この映画で探求したテーマのひとつは“葛藤”なの。自分のキャリアの初期を振り返ると、まるで昨日のことのように葛藤の日々が思い出されて(登場人物の)葛藤には、私にも完全に共感できる側面があるわ。だから自分の記憶にアクセスして、映画のストーリーに取り入れたの。もう30年以上も前のことだけど、私はバレリーナになる夢を抱いてミシガンからニューヨークに出てきた。ニューヨークにいる何千人もの若きバレリーナのひとりとして、貧しい暮らしを送っていたの。(劇中でバレリーナのホリーが生活のためにストリップ・クラブで働き始めることについて)生きる上での知恵のひとつを取り上げたに過ぎないわ。欲しいものを手に入れるためなら、どんな犠牲も払うというシンプルな処世訓を私なりに表現したつもりよ。
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――アーティストを描いたのはなぜですか?
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| マドンナ: |
私が“クリエティブなアーティスト”に惹かれるから。実際、この映画は、アーティストの葛藤や、アーティストになるための旅路を描いているの。あの家に住んでいる人たちは、皆、アーティストなの。盲目の詩人も含め、皆、伝えたいことがあり、それを伝える、また表現する手段を見つけるために、必死にもがいている。それがこの映画のテーマよ。
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――どれくらいあなた自身が投影されていますか?
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| マドンナ: |
私が好きなものすべてが映画に詰まっているの。(登場人物には)まず、執筆することを愛している作家がいて、それもマリア・カラスの「カスタ・ディーヴァ」を聴きながら。私は文学もオペラも大好きなからね。あと、バレエ・ダンサーも登場するわよ。私はもともとダンサーを目指していたわけだしね。それから、パンク・ロッカーや哲学者もいるし、ジュリエットというキャラクターは、辛い子供時代を送り、父親との関係で悩んでいて、すべてから逃れてアフリカの子供を救済したがっている。そういったように全てのキャラクターが私とつながりがあるのよ。
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――主人公3人のうち、どのキャラクターに自分は一番近いと思いますか?
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| マドンナ: |
あえていうなら、AK(ユージン)ね。彼のキャラクターは最後に大きな変化を遂げるから。ストーリーを振り返ると映画の冒頭では、彼は人を叩いて(SM)で生計を立てている。けれど、映画の最後の方では、彼は自分が言いたいことを言って、ステージでやりたいことをやって、他人の芸術、“詩”から音楽を作り出し、そして恋にも落ちる。そんな彼が私に一番近いと思うわ。
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――自分が出演するのではなく、カメラの背後に立つという経験はいかがでしたか?
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| マドンナ: |
実際には結構、難しかったわ。私が自分のステージを監督するときは、私が実際に演じるし、より本能的な体験なの。けれど、映画を監督することは、どちらかというと、頭の中で生きているようで、ホリーがダンスをしたり、ユージンが演奏したりするのを見て嫉妬したわ。私は監督するのも、その体験全てが大好きだったけど、唯一不足していたのはその部分ね。心の底からの表現は、演じることによってしか得られないものだから、私は首から上の部分だけ、頭で関わることに対して、多少気持ちの調整が必要だったわ。とは言え、監督することは大好きよ。ストーリーを語る仕事は私に合っていると思うの。女優は他人のストーリーの一部でしかないけれど、監督はストーリーを自分自身の解釈で演出することができるから。それに、カメラの反対側にいられる事はとても嬉しくもあったの。(出演するのと違って)ヘアメイクや衣装について心配しなくていいから、すごく開放感に溢れていたのよ(笑)。
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――映画を作るうえで、一番大変だったことは何でしたか?
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| マドンナ: |
一番大変だったことは、自分が欲しているものを撮れたかどうかの判断ね。次に進んで問題無いのか、自信を持ってもう撮り直しは不要、と言えるか。最初はとてもナーバスになったのよ。スタッフの中には、有名な監督と仕事をしてきた人もいて、そういうプロの集団に初心者の私が相手にしてもらえるのかという不安があった。例えば、経験豊富なカメラマンなら、カメラの位置について私に指示されたくないでしょう。だからまず、私の意見を真剣に聞いてもらえるような関係を作る努力をしたわ。私は独裁者ではないわ。だから、誰かが私よりもずっといいアイデアを持っていれば、それを受け入れることに何の問題もないの。
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――これから映画とはどのように関わっていくと思いますか?
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| マドンナ: |
私がやることはだいたい私の半自伝的要素に結果的になることが多いから、映画もそういう意味を持つことになると思うわ。『ワンダーラスト』は映画監督としてのキャリアの最初の一歩だと言えるわね。すでに頭の中では他の映画のアイデアも渦巻いているの。ニューヨーク、ロンドン、パリが(次回昨の)舞台の予定だけど、まだ言ってはいけないみたい…(笑)。
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