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――前回VIBEがインタビューさせて頂いたのが5年前でした。
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| バリー: |
どんどん歳を取ってゆくね(笑)。
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――(笑)。この間、“Camp in 朝霧JAM”であなたたちのライヴを観ました。一緒に観ていた友人が「今日は音が小さかった」とライヴの後に言っていたことを憶えているのですが、例えば音を絞るように要請があった時には、どのような気持ちなのでしょうか。
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| バリー: |
音のボリュームはセット・リストやフェスティヴァルの雰囲気によって変わっているからね。自分たちでボリュームを絞ることはあまり無いけれど、そこら辺は基本サウンド・エンジニアに全て任せているんだ。ヨーロッパの中でもフランスやオランダは、法律で決められているのか「95〜100デシベルぐらいに抑えてくれ」って言われることが多くて。100デシベルって実はすごい小さい音量なんだよ? 自分達としてはちょっと不服なんだけれど、そのエンジニアが…殆ど“もう一人のメンバー”みたいなものなんだけれど、彼がすごく優れた腕の持ち主で、実際の音量は小さいのに“印象として迫力のある音”を作ってくれているんだ。イギリスや日本ではそう言われることは滅多に無いね。若い頃は、そういう規制に対して喧嘩腰になったりもしてたけど、最近は「そういう風にやるしかねえな」って納得するようになったよ。大人になったね(笑)。
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――『Mr.Beast』以来2年ぶりとなる『The Hawk Is Howling』ですが、アルバムの制作はいつ頃から始まっていたのでしょうか?
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| バリー: |
最初に作り始めたのは去年の夏で、3週間ぐらいレコーディングをしたんだけど、その時に録音したものは全然しっくり来なくって。結局、録り直そう! ってことになったんだ。そこでプロデューサーをアンディ(・ミラー)に替えてやり直すことになったんだけれど、マーティン(Dr)のつけている心臓のペース・メーカーが調子悪くなっちゃって…それを交換する手術が必要になって途中レコーディングを中断したんだ。でもその間に残りの皆でまた新たに曲を沢山作っておいて、戻ってきてからは早かったよ。2月から3月に掛けてレコーディングからミックスまで終えたんだ。結果的に、こうして短期間で集中して録った方が作品として良いものが出来たりするんだよね。でも、そこから半年してようやく発売されるんだから、その間は歯痒かったよ(笑)。
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――元々モグワイはスロウな曲が多いバンドですが、今作ではよりどっしりとした落ち着いた印象を受けました。
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| バリー: |
それは今回のプロデューサーのアンディの腕かもしれないな。あとは今回ミックスをやってくれたギャレス・ジョーンズもそう。今回のレコーディングは彼らの影響もすごく強かったから、“バンドの5人で作った”という感じじゃなく“7人で作った”というような実感があるよ。彼らとはすごく相性が良かったんだと思う。それ程大した曲じゃなくても、そういった人たちに手によってものすごく良く聴こえるものに育つことってやっぱりあるから(笑)。今回は彼らの存在は確実に良い方向に作用したよ。
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――今作には、アルバム制作前の"どういった作品を作りたい"とか"目指すべきもの"といったイメージはありましたか?
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| バリー: |
今までもずっとそうだったけど、今回もそういうのは無かったよ。今回も“誰かが持ってきたアイデアを皆で膨らませる”って進め方で、その過程では言葉で“ああしよう、こうしよう”と言い合うことも基本的には無いんだ。“音で会話する”じゃないけど、誰かが弾いているフレーズに対して自分のフレーズを考えて、そして試してみるんだ。今はコンピューターで簡単にセッションを録音出来るから色々試すことが出来るし、確認することもすぐ出来るようになったから、またすぐ試せるんだ。そうやっていつも通り試行錯誤して作ったのさ。うん、本当に何も計画みたいなものは無かったな。
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――今までの作品の中には必ず幾つかヴォーカルのある曲がありましたが、今回はゼロですね。
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| バリー: |
それも後から人に言われて「そういえば…」って気付いたんだ(笑)。今までヴォーカルを足していた曲っていうのも、基本はインストで録音した曲を聴いていて、何かそれだけでは“未完成”に感じたものに、ヴォーコーダーを使ったりして声の音を足していたんだよね。でも今作に関しては、インストだけで完成していると感じたんだ。全曲通してそう思えたというのも珍しいことではあるんだけれど、でもそれも計画性があってそうなったんじゃなく、結果的にそうなっただけ(笑)。
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――バリーは時にヴォーカルを務めますが、“歌いたい”という感情が元に行動することはありますか?
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| バリー: |
ノー、全く無いね(笑)。確かにスチュアートと僕は時々歌うことはあるんだけれど、二人とも歌うことは全く好きじゃないんだ(笑)。どうしても“この曲はヴォーカルが必要だ”ってなった時に、必要に迫られて…渋々やるんだ。今でも二人とも出来れば“やりたくないな”と思っているから、歌わなきゃいけない時はお酒を飲んでから歌うようにしているよ(笑)。僕らには“言葉で伝えたいメッセージ”というものが全然無いからインストゥメンタル・バンドであって。だから出来ることなら今後歌う曲が無ければいいと思っているよ(笑)。
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――今作から「The Sun Smells Too Loud」をフリーで先行ダウンロードさせておりましたね。この試みはどういった話から始まったのでしょう。また、今作の中で一番明るいこの曲を選んだのは何故ですか?
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| バリー: |
今は皆やっていることかもしれないけど、アルバムが出る前に何か聴けるものをリスナーに提供出来ないかな、って思って“やろう”ってことになったんだ。一曲に絞って考えていたわけでもないんだけど、この曲はアルバムの中では異色で、全体の雰囲気からちょっと浮いている曲だと思ったんだよね。「この曲なら、アルバムの雰囲気を引きずらずに済むんじゃないか?」って思ってこの曲にしたんだ。
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――前作と今作の間にあった映画音楽の制作の影響は今作に現れていますか?
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| バリー: |
映画と言っても、ドキュメンタリーに音楽を付けるっていう作業だったから、通常の映画音楽の制作とはまた違うものだったんだ。映画のディレクターからは「好きなようにやってくれ」っていう指示だったから…その通りに好きなように音楽を付けていったんだけど、僕らの音以外のところには一切音楽が無い作品だったから、かなり変わった不思議な経験ではあったと思うよ。まぁ色々指図を受けそうなハリウッド映画の映画音楽なんかより、僕らはこっちの方が合っていて好きだけどね(笑)。そういう意味で、その時の影響というのは今回は特に無いかな。
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――昔の話なのですが、一ファンとして、「Mogwai Fear Satan」のケヴィン・シールズ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)によるリミックスが大好きでした。今、誰かに曲のリミックスをお願いするとしたら、誰がいいですか?
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| バリー: |
うん、あれは僕の知る限りでも最も良いリミックスの一つだよ! 正直、そうでもないものも結構あったりするからね(笑)。ケヴィンは昔からの友人で…僕らのサウンド・エンジニアを横取りした人でもあるんだけど(笑)。リミックスに関しては、実は今もう「The Sun Smells Too Loud」のリミックスをジェームス・ホールデンに依頼したところなんだ。やってくれるかはまだ決まってないんだけれど…彼の音楽がすごい好きで、最近はポスト・ロックとかじゃなくああいうのばっかり聴いている。あとは、「Thank You Space Expert」のリミックスをラタタットに頼みたいなって今考えていて。彼らとは前回日本に来た時にも一緒だったんだけど、あのクラシック音楽みたいな感性でモグワイをリミックスさせたらどうなるんだろう?って考えるとすごく楽しみだよ。
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| インタビュー・文/伊藤昌利 |