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――ツアーでオーストラリアから移動されてきたとのことですが、ちょうど本日の東京は一段と寒い日です。この寒暖差で体調などは大丈夫ですか?
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ジェイソン・ピアース: (以下ジェイソン) |
うーん、全然気にならないんだよね、そういうのって。こうやってツアーで回っている時ってショーが一番大事だから、その他のことは良いことも悪いことも、言ってみればボーナス的な存在なんだ。でも、僕にとってツアーで一番楽しみなことって実は“移動”なんだよ。旅をする距離の重みというかね。だから2日前は確かにお日様ピカピカのオーストラリアに居てそこはそこで楽しかったけれども、次は日本だって言うとまたワクワクするし、たとえば次モスクワだって言えばそれはそれでまたワクワクするし。よく言うよね、“旅って言うのは目的地に着くのが大事なんじゃなくて、そこまでの過程が一番大事なんだ”って。正にそれだよね。
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――まず、久々の来日となった “SUMMER SONIC 08”でのパフォーマンスについてお聞かせください。私も拝見しましたが、とても素晴らしいライヴでした!
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| ジェイソン: |
そうだね…日本は5年ぶりだったのかな。本当にすごく良かったよ。お客さんが本当に素晴らしかったから最高に良いショーになったんだけど、スーパー・ファーリー・アニマルズと組めたっていうのもすごく大きかったよ(スピリチュアライズドの前にスーパー・ファーリー・アニマルズが出演)。僕らから比べても彼らはもっとものすごくサイケなバンドなわけだから、その2つが組めたっていうのは…あのまま世界を回ってもいいんじゃないかって思うぐらい、あの時見てもらえたショーというのは本当にスペシャルなものだったと思うし、あの2つのバンドが同じ空間に居たって言うこともそうだと思う。で、やっぱり良いショーが出来るから、こうやって旅して回ることにも価値が出てくるわけで、せっかく行っても良いショーが出来ないと“わざわざ来たのに…”って思っちゃうけれど、あの時は本当に“来てよかった”と思える素晴らしいショーだったよ。
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――さて、最新作『Songs In A & E』についてもお聞かせください。アコースティック・ギターを持って曲を作った作品ということはあなたにとって今までにはなく新境地とも言えますし、アルバムの雰囲気としても旧来と比べても“人の優しさ”を感じるアルバムになったかと思います。
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| ジェイソン: |
そうだね、好きなように感じてもらって構わないよ(笑)。なかなかこれがコメントするのが本当に難しいんだよね。出来た時は“こういうアルバムになった”、それでよかった。だけれども、どうしてそういう風になったかと言うと…そもそもこのアルバムって『Amazing Grace』と一対になるような作品のつもりで作り始めたもので、実際出来上ったものはイメージ通りになった部分もあるけど、それと似て異なるものにもなった。どうしてかなって違いを考えると、曲としての出来が今回の方がいいってことなのかなぁ、と。でも、それも自分ではよくわからないよ。作ってからかなり時間が経っているのもあるけれど、もう既にライヴで多く演奏する中で変わってきている曲もあるから、“そもそもレコードとして作る時、自分が何を目指していたか”って言うのを思い出すのは、意外に難しいんだよね。で、今回のことが新しいチャレンジだったということに関しては、でも別にチャレンジというわけではなくって…というのも、今回はギターを持ったら勝手に曲が出てきたってぐらい、僕は何もしなくてもいいぐらい、楽に曲が書けてしまったんだ。
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――ちなみにタイトルとなった『Songs In A & E』は、アルバム製作中にあったあなたの臨死体験の前と後、どちらにつけられたのでしょうか。
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| ジェイソン: |
それもあまりよく憶えていないんだ。“前に決めてあった”って言いたいけどね(笑)。でもよくわからないんだ。勿論、ああいうことがあった後だと全くピッタリのタイトルだってことは間違いなく言えるわけだけど。
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――アルバムの締め括りで、「Borrowed Your Gun」で終わったとしても、きっと締まった終わり方になったように感じますが、その上で最後アコースティック・ギターで優しい感触の「Goodnight Goodnight」で締め括られることが、このアルバムの印象に大きな影響を与えていると思います。
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| ジェイソン: |
曲順って本当に苦労するんだ。“Harmony”の1〜6を除いて12曲。その12曲を並べ替えただけでも、何通りの組合せがあるのかわからない。全部試してみたいぐらいだけれど、それは難しい。でも、やっぱり映画と同じように最初から最後まで通して触れてもらいたいから。勝手に編集されるんじゃなくてね。そういう意図の元に色々考えて…どうしてって言われると困るんだけれども、“これがハマった”ってことになるんだよね。で、最後に「Goodnight Goodnight」を持ってきたのは、ダニエル・ジョンストンに対する返答というか、彼はこのアルバムを作るにあたってすごく影響の大きかった人でもあるので、彼に一言添えるような意味合いを込めてね。まあ、「Goodnight Goodnight」は前の方に持ってきたら駄目な曲であることは確かだね。(数字の書かれた紙を差し出して)…何通りあるか計算したらこんな数字になったよ(笑)。
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――なるほど(笑)。今作は、臨死体験の前からもう作られていたということで、「その影響は言う程はない」とおっしゃっているインタビューも以前目にしました。そうなると、次の作品でそういった体験が表現されることも考えられるのでしょうか。
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| ジェイソン: |
多分ね(笑)。まぁそういうことがあるかもしれない。でも、この後また何が起こるかわからないから、それは読めないよな。或いは、過去を振り返らないほうが良いと思うかもしれないしね、次のアルバムを作るにあたって。次のアルバムは…でも確かにそうだね、今回の経験が表れてくるのかもしれないし、だけど場合によってはそのつもりで作り始めても、作っているうちにどんどん考えが変わる…ということもよくあることなので。今回のアルバムだってそうだもんね、最初に考えていた発想を良いと思って進めていたつもりだったけれど、完成したものはそれとは違うものになったわけだからね。
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――来られたばかりで気が早いのですが…ファンはまた次の来日が待ち遠しいと思います。
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| ジェイソン: |
まだ来たばっかりなのに? (笑)。うん、でも日本のことはすごく好きだよ。日本はね、すごく仕切りがしっかりしているし…僕らが自分たちの中だけで勝手に作品を作っているのと皆でライヴの空間で音を分かち合えるというのは全然別物だから、そのスペシャルさっていうのは欠かせない…それを理解してくれて、ブッキングやその他諸々のことを仕切ってくれる人さえ居てくれれば、日本には何度だって来るよ!(笑)。
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――最後に、あなたはライヴ中のMCが少ないので、気難しいようなイメージがあると聞いていました。しかしこうお話すると暖かい人だというのが非常によくわかりました。あなたにとって“ステージの上での自分”とは?
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| ジェイソン: |
(笑)。あれはロックン・ロールな自分だってことだよ(笑)。いやだって僕はね、ステージに立ってお話する為に居るわけじゃないからね。あとはやっぱり、バンドでやっている音楽にすごく自信があるからってことかな。本当に特別でユニークなバンドだと思っているし、ライヴで喋らないというのは“言うことがないから”じゃなくて、言いたいことは全て音楽の中で言っているから、言葉にしなくても良いと思っているんだ。
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| インタビュー・文/伊藤昌利 |