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――30数年ぶりにストゥージズとしてのアルバムを作るにあたって、とくに考えたことはどんな点ですか?
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| イギー: |
じっくり座って昔のを聴いて、それを再生するようなアルバム作りはしたくないと思ったね。いい音楽っていうのは、特にこういうバンドは、内面から自然とわき上がって来るものが大切なんだ。何かをコピーして持って来るようなんじゃダメなんだよ。曲作りに関しても色々なやり方をしてみたし、曲を書いたら、まずはそこに俺たちらしさがあるか、みんながそれを感じ取ってくれるか、それを基準に収録曲を判断していったんだ。同じにはなりたくないっていう努力と、それと同時に変わらないものも残しておきたいっていう努力があったな。
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――実際にレコーディングを始めるまでにはかなり長い時間がかかったんですね?
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| イギー: |
曲を書き出したのは確か3年前位からかな。お互いに訪ねあってみんなで家に集まって、まるでアマチュアみたいにリビング・ルームや地下室でジャムったりしてそれを録音して、ソング・ライティングを始めてた。その後4〜5ヶ月に1度は集まって、そういうことをやって、結局2年半かけて曲を書いたことになるかな。
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――レコーディングではニルヴァーナとの仕事などで知られるスティーヴ・アルビニをエンジニアに起用してますね。
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| イギー: |
スティーヴは俺たちの事が好きで俺たちと一緒に仕事をしたいと言ってくれた。俺たちのサウンドを変えないともね。じつは俺は最初は反対だったんだ。スティーヴはいいサウンドを出す奴だけど、バンドがクソみたいなのだとサウンドもクソみたいなのを作る奴だからね(笑)。それでいて“それが君たちのアルバムで君たちの人生なんだからさ”と言ってのける(笑)。所謂プロのプロデューサーがやる事は彼はやらないんだ。それに彼は変人とか性格が悪いとか評判だから、それも気になってた。でも話をしてみたら確かに変人だったけど、言ってる事は納得出来るものばかりだったんだよ(笑)。
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――ストゥージズは元祖パンク・バンドとしてすでに伝説の存在なわけで、そうしたグループが新作を出すということにプレッシャーはありませんでしたか?
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| イギー: |
たしかにあれから41年も経って、いまさら人気者って、なんだ、それって気分はあるな(笑)。実際には2種類のプレッシャーがあったよ。一つは自己の中から生まれるプレッシャー。バンドのことをどれだけ考えられるか、バンドだからこそどこまで気を配れるのかってことだ。ソロよりもバンドでの活動の方がずっと大変だからな。ソロは孤独とうまく付き合っていけさえすればそれで済む。だけどバンドっていうのは全員を説得しないといけないから手間がかかるんだよ(笑)。それに加えて外的なプレッシャーもある。“お前らは伝説なんだ”とか“サウンドはあの頃とは違うはずだ”とか色々と雑音が多くてね。そんなのをいちいち聞いてたらやってられないけど、現実世界からの期待ってものが入って来たら聞かないわけにはいかない。それをどこまで聞くかっていうのを自分たちで決めた結果がアルバムになっているんだ。
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| インタヴュー・文/大鷹 俊一 |