|
――'06年のフジロック以来の来日公演でしたが、お客さんの反応の違いなどは感じましたか?
|
| ベン: |
日本のファンは本当に温かくて、なおかつ熱心に応援してくれるから大好きだよ。
|
| ダン: |
大きなフェスも楽しいけど、やっぱり小さなクラブでやる単独のライヴはまた違った楽しさがあるよ。オーディエンスとエネルギーを分かち合っている感じでね。
|
|
――本国のイギリスで‘クーパー・ヘッズ’と呼ばれる熱狂的なファンがいますが、日本の“クーパー・ヘッズ”との違いは何か感じますか?
|
| ベン: |
これを話して日英の亀裂が起きたりしてね(笑)。
|
| ジョン: |
全然違うところもあるよ。例えばイギリスだと曲の合間にビールを買いに行ったり、おしゃべりばかりしているけど、日本の場合はシーンとなって自分たちを見てくれているよね。自分たちが見られていることを意識する。ただ曲を演奏している時は、どちらも熱狂的に盛り上がってくれるよ。でもヨーロッパの人には言わないでね、日本のファンが最高さ(笑)。
|
|
――今回恵比寿リキッドルームでのライヴを観ました。今回が4回目のクーパー体験だったのですが、今回のライヴが一番よかったです!
|
| ダン: |
ありがとう! あと1回観れば特製タトゥーを腕に入れてあげるよ(笑)。フェスは入らないからね(笑)。
|
|
――今回のライヴで素晴らしかったのは、バンドがフォーカスしている部分が鮮明に見えたと感じたからでした。1stアルバム時のライヴはとにかくアグレシッヴでした。2ndアルバムの時はフォーカスしているものがチラチラ見える感じでした。
|
| トム: |
5人になって、気分的にも技術的にも新しいバンドとして再スタートをきる雰囲気になったと思う。以前の曲にしても、5人用に再構築して新たなものとしてプレイする感じがそこからうまれたし、それぞれの責任感も変わってきたね。その結果、タイトなグルーヴを生み出していると思うし、ギグにも現れてきているんだと思う。これまでもライヴ・バンドとして評価されている面はあったけど、さらに理想の方向に近づいている。
|
|
――ライヴ・バンドという言葉が出ましたが、まさにTCTCはライヴ・バンドとして評価が高いですよね。
|
| ベン: |
ライヴをやる時に作品をそのままプレイすることに興味がないんだ。大切なことはエネルギーをいかに伝えるかっていうことだから、そのために曲をどんどん削ぎ落としていってシンプルにして、自分たちの全てをそこに注ぎ込んでいくことを意識している。作品とギグはまったく違うものだね。
|
|
――ライヴではステージ上の全員が何かしらの楽器やコーラスに参加していますよね。TCTCにとって全員が参加するということは重要なことなのだと感じます。
|
| トム: |
そうそう、ビール飲んだりとかで忙しいよね(笑)。
|
| ベン: |
全ての人間が関わっているという経験が、ギグをよくするって信じているんだ。自分たちが子供のころから観てきたバンドもみんなそうだった。そういうバンドのギグではステージの上ではみんなが何かしらに参加してエネルギーを注ぎこんでいたね。僕たちもそういうバンドになりたいと思うし、エネルギーをオーディエンスに伝えたいんだ。
|
|
――1月に新作『Make This Your Own』がリリースされましたが、ツアーをまわる中で曲には変化が出てきましたか?
|
| ダン: |
完成させた自分たちの作品は聴きなおさないんだけど、ツアーで演奏しているとまた興奮が戻ってくる。あと、ギグでのオーディエンスのリアクションを見たり、聴いたりすると色々感じるんだ。ギグで初めて聴く人もいるわけだから、毎回そういう人たちに向けて自分たちも初めて演奏するっていう初心を取り戻させてくれるっていうこともよくある。だから、オーディエンスのリアクションによって曲自体が変わってくることもあるんだ。
|
|
――この作品はバラエティに富んだものに仕上がっていますね。アグレッシヴな「Damage」「Head」があり、アコースティックな「Take Comfort」があり、エレクトロな「Connect」があり、メロディが美しい「Waiting Game」があります。TCTCにとってこの作品はどのような作品と表現しますか?
|
| ベン: |
1st、2ndアルバムは短時間で創ったから統一感があるのに比べて、3rdアルバムは時間をかけて創ったし、曲創り自体にも時間をかけて創ったから、今までより幅広い作品にしあがっているよね。折衷的っていう言葉があっていると思うな。
|
|
――今作の歌詞の世界観がニュー・オーダーに似ているな、と感じたのですが。
|
| ベン: |
ニュー・オーダーは好きなバンドだよ。
|
| ダン: |
いい意味で受け取っておくよ(笑)。
|
|
――“個と個の繋がり”についての歌詞が印象的で、それがニュー・オーダーに似ているかなと。
|
| ベン: |
確かに“個と個の繋がり”っていうのはあると思う。ただ、今作で言えば「Homo Sapiens」のような堀世界観を歌った曲もあったりする。全体的に自分の内面を写しだして、それを顧みるっていう視点の曲が多いから“個”というのを感じるのかもね。
|
|
――TCTCというバンドはイギリスのミュージック・シーンでも独特なポジションを獲得していますよね。他のバンドとの違いは何だと思いますか?
|
| ダン: |
まずはそう思ってもらえて嬉しいね。元々他とは違ったものを生み出すという理念からバンドをスタートさせたんだ。音楽というものはすごく幅広いものだから、そのうち一つだけを取り出して自分たちをその枠の中に閉じ込めてしまうことだけはしたくなかった。メンバー5人それぞれ違った音楽的なバックグラウンドをもっているわけだから、それを全部あわせた時に出来上がる曲は想像もできないものになるんだ。その面白さが他とは違うところだと思う。
|
|
――個人的には“想像力”の違いが他のバンドとの決定的な違いだと思います。
|
| トム: |
僕たちはかなりの想像力をもってるよ(笑)。
|
| ベン: |
僕たちみたいにぎこちなく生きていると想像力であったり、意志は本当に大切なものなんだ(笑)。
|
|
――そんなTCTCにとって、現在のミュージック・シーンで親近感を感じるバンドはいますか?
|
| ダン: |
いい質問だね…(ちょっと考えて)、TV ON THE RADIOかな。考え方ややり方が革新的なところを目指していて、領域を広げようとしている意志には共感するね。
|
|
――どうもありがとうございました!
|
| 全員: |
こちらこそありがとう!
|
|
|
| インタビュー・文 / 成瀬 雅俊 |