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――ものすごいニュー・アルバムが完成しましたが、それをこうして世界に向けて送り出すのはどんな心境でしょうか?
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| ジャスティン: |
これまでずっと自分達だけの世界で作業してきたものが、いきなり外の世界にさらされて、人々の正直な反応が伝わってくるようになるのは、実際かなり奇妙な体験だよね。ちょっと怖いような感じもするけど、やっぱりエキサイティングだよ。
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| メイナード: |
小さい子供が自分の部屋で、好き勝手にオモチャで遊んでたところへ突然お兄ちゃんが友達をつれてやってきて、遊びにまざってきた時みたいな気持ちとでもいうか。
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――(笑)本当は、こんなふうに作品について説明してまわるなんてことはしないで済ませたいような気持ちもあったりしますか?
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| メイナード: |
自分達が作りあげたものについて客観的に見る良い機会だと思ってる。実際に聴いてもらった人からインタビューを受けると頭の中で整理がつけられるし、外から見るとこういう風に映るんだということも分かって面白いよ。
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――それにしても、朝からずっとインタビュー漬けで、せっかく日本に来たのに観光を楽しむ時間もないようですね。
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| ジャスティン: |
昨晩は和食のレストランに連れていってもらって食事を楽しんだけど、今回の来日では空き時間にもなるべく身体を休めて、みんなとの対話に集中するようにしてるよ。
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| メイナード: |
でも僕は、過去にやって来た時、京都にも広島にも宮島にも行ったよ。日本は、プライベートでも来るくらい、いちばん好きな国で、アメリカに帰るとあまりの違いに、逆にカルチャー・ショックを受けてしまうくらいなんだ。
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――そう言ってもらえるのは日本人として非常に嬉しいのですが、いったいこの国のどこにそれほど惹かれるのでしょうか?
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| メイナード: |
どう説明したらいいものかわからないけど、感覚的にすごく馴染む部分があって落ち着くんだ。アメリカではアリゾナの砂漠に住んでいて、気候的・環境的には対照的だけど、スピリチュアルな部分では共通しているところも感じるし、すごく居心地がいいんだよ。
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――あなた方は、アメリカ以外の地域の文化にもきちんと興味を持って、そこで得たものをバンドとしての表現にも取り込んでいるように思うのですが、そういった点で他のロック・バンドとトゥールが違っているということをどれくらい意識していますか?
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| メイナード: |
自分達自身のことを客観的に見るのは難しいけれども、例えば、何年もバンドをやってきた中で、メンバー同士、お互いの意見をきちんと聞けるように成長できたということは、とても重要なことだと思っている。これは、どこか別の国に行った時、違う文化や環境に対しても受け入れるということに通じるよね。他の多くのバンドは、もっとエゴを剥き出しにして、まるでエゴのブラックホールの中で音楽を作っている感じだったりする……というか、音楽を作ること自体よりも有名人になることの方が重要だったりね。
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――なるほど。この後いくつかの音楽フェスに参加する予定も発表されていますが、そういうイベントに出演している時に、自分達は浮いていると感じたりすることはないですか?
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| ジャスティン: |
ああ、確かにあるよ。なんだか不思議な気分になったりはするね。ただ、そういうところに出ていけば、他のバンドが目当てで来た人々、普段は俺達のことを見る機会なんかないような人々が、たまたま見てしまったっていうことが起きるかもしれないだろ。そこで少しでも彼らに何かが届くことになればいいと思うんだよね。たまたま聴いてみたら感銘を受けた、って言ってくれた人もいたし。
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――先鋭的で優れた音楽をやっているアーティストの中には、アンダーグラウンドな世界に閉じこもりがちな人も多いですが、トゥールがそういったことにこだわらず、積極的に大きな舞台へと出て行くのは何故なんでしょう?
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| メイナード: |
アンダーグラウンドでやっていきたい人達にとって、そこは温かくて安心できる環境なんだろうね。外に出て行くのが怖いのかもしれない。もちろん、それもひとつの方法論だし、自分達にも昔はそういうところが多少はあったし、理解できるよ。ただ、僕らの場合は、勇気を出して新しい場所へ踏み出して行くことでポジティヴな結果が得られることの方が多いって分かってきたんだ。
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| インタビュー・文/鈴木喜之 |