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――今作の『Songs For Silverman』では、3ピース・バンドという編成でレコーディングを行なっていますが、再度3人でやってみようと思ったのはなぜですか?
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| ベン: |
12歳の時からピアノとベースとドラムという編成でやっていたから、やっぱりこれが僕の基本なんだ。今回のメンバーは、元々はツアー要員だったんだけど、スタジオで戯れているうちに、だんだんとそれが曲に発展していって、そのメンツでレコーディングをしようという話になったんだ。だから自然な流れで進んだ話なんだよ。
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――ソロで1stアルバムをリリースして以降、たった1人でピアノ・ツアーを行なったり、ベン・クウェラー、ベン・リーとバンド“The Bens(ザ・ベンズ)”を組んで活動したことなどは、今作を制作する上で何か影響を与えましたか?
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| ベン: |
僕の活動っていうのはある意味“脱線”の連続であって、振り子のようにあっちへ行ってはこっちに戻ってくるっていうような感じなんだ。前作がものすごくプロデュースされたアルバムだったので、その後は、ソロ・ツアーをやったり、ベンズを組んだり、EPを作ったりして。今作では振り子がまた戻ってきて自然な流れの作品になったと思う。常に行ったり来たりしているから、そのすべてが今作に影響を与えていると思うんだ。
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――今回の来日ツアーも3人で廻っていますが、ソロでピアノ・ツアーを行なった時とは感じるものは違いますか?
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| ベン: |
不思議なことにあんまり違いはないんだ。1人でやってた時もオーディエンスがいることで全然1人という気にならなくて。みんなでひとつみたいなところがあったからね。今回は、ステージに上がってる人間の数がちょっと多いだけであって、オーディエンスがいてくれることには変わりはないから。でも、変わるのはオーディエンスのリアクションで、たとえば長いセットの中でバンド・セクションとソロ・セクションがあって、バンドでやっている時にちょっといまいちだなって思っても、ソロをやるとすごく会場が盛り上がったり、逆にバンドでうまくいってたのに、ソロ・セクションを挟むことで盛り下がってしまったりとかもあるし。本当にその時々によって反応が違うので、それはオーディエンス次第、自分達次第なんだよ。そういった意味では毎晩感じるものは違うけどね。
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――3人で演奏することによって、色々と見えてきたことなどがあると思うのですが、改めて今作を客観的に振り返ってみていかがですか?
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| ベン: |
アルバムだけを聴いていると、自分が今まで作った中で一番繊細なアルバムだと思う。今回のライヴでは、新作からの曲をいっぱいやるんだけど、それが古い曲と一緒に並んでても、全然違和感がない。なぜかっていうと、ライヴではアルバムと違って、すごく動的な部分ていうのがいっぱい出てくるからね。他のアルバムの曲と並べても浮かないし、また違った意味のエネルギーを曲に与えられたんじゃないかな。
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――今年の5月に写真展がありましたよね。ミュージシャンとしてのベン、フォトグラファーとしてのベンと、何か違いがあるとしたらどんなところか教えてください。
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| ベン: |
写真を撮る方はゲイなんだよ。冗談だけどね(笑)。写真家ベン・フォールズの方はまだまだ初心者で、まだまだ学ぶことがいっぱいあるんだ。今は暗室に入って全部自分で現像をするんだけど、イメージが浮き上がってくるのを見るだけですごく興奮するんだ。一方で、音楽の方は、長年やってるし、ちょっと慣れてしまった部分があって。でもベンズで、ベン・リーやベン・クウェラーと一緒にやってみて、彼らはすごく若いから、音楽を作ることに対してすごく興奮するものがいっぱいあるんだよ。それを見ていると、僕も学ぶことが多い。だから、写真で興奮する自分を音楽に反映させて、音楽でもちょっと忘れかけていた若かった頃の初心とか、喜ぶ気持ちっていうのを取り戻せそうな気がするんだよね。
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――先ほど、振り子のようにあっちへ行ったり、こっちへ行ったりとおっしゃっていましたが、今後はどんな方向へ行ってみたいと思いますか?
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| ベン: |
もちろん、より良い作品を作り続けたいと思っているんだけど、ミュージシャンとしてやれることや可能性はいっぱいあって、ポップ・ミュージックというジャンルの中で、チャレンジできることはまだいっぱい残されているんだ。だから、チャレンジを忘れたくないし、インストゥルメンタルのアルバムも作ってみたいなと思ってる。あとは、オーストラリアで90人編成のオーケストラと一緒にパフォーマンスをするんだ。それってすごいチャレンジだし、自分の精神を掻き立ててくれるので、そういう挑戦を常に忘れたくないなと思うよ。
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| インタビュー・文/阿部英理子 |