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――待望の1stフル・アルバムですが、作り終わってみてどうですか?
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| 小野雄一郎(Vo&G): |
いや、もう、『BANK』だなっと。本当にやってきたことが全部詰まってる。別にベストとかにするつもりは自分の中ではないんですけど、例えば半年間で作った曲を13曲集めましたっていうのではなくて、結構長い期間の中で良いものをチョイスした13曲なので、もう本当に“butterfly inthe stomachはコレです”っていう、自己紹介とかではなくて、“もうコレなんです”っていう感じですね。
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――1番新しい曲と古い曲で、どれくらいのスパンがあるのですか?
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| 渡辺裕次(Dr): |
大体4〜5年ですね。
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| 小野: |
’07年まで作った曲の良いものだけを引っこ抜いて作ったという感覚で。今まで、入れよう入れようとしててできなかった曲に関しては、やっと家で聴いてもらえるっていう喜びと、ちょっともったいなさとかありりつつも(笑)。「December」とか。
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| 渡辺: |
前のミニ・アルバムの時とかも、入れようかっていう話も出たんですけど…。
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| 小野: |
僕はもったいぶってて…(笑)。なるべく、入れない方向にいけないかなって(笑)。“こっちの方がいいんじゃない?”とか言って(笑)。
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――(笑)。じゃあ、本当にやっとっていう感じなんですね。『BANK』というタイトルは、かなり絶妙だなあと思ったのですが、これはすんなり出てきたタイトルですか?
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| 小野: |
『BANK』っていうのも、いつかつけてやりたいなっていうタイトルだったんです。前回の『Girls Pool』は、曲を選んでからつけたタイトルで。『BANK』に関しては、言っちゃえば、“1stアルバムは『BANK』だろう”っていうのは2年前くらいから思ってて。だから、そうであって欲しいなってずっと思ってたタイトルですね。
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――まず1曲目がインストで「おびきだせ運命を」。インストは初めてだそうですね?
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| 小野: |
僕らの提案というよりも若林さん(マネージャー)の提案で。僕らインストとか作ったことなくて、どうしようかなって思って(笑)。難しかったですね。もともと歌詞と曲を同時に持っていって、そこから作っていくバンドなんで。結局、考えていくうちに頭の中でピアノが鳴って、2人には、僕がピアノを唄いながら、こんな感じでって言って作っていって。
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| 小澤秀明(B): |
完成形がまったくわかんなかったですね。
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| 渡辺: |
完成した時に、ああ、こういうものだってやっとわかって(笑)。
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――頭の中の音は、再現できたんですか?
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| 小野: |
できました。それは本当良かったなと思って。エンジニアの方が汲み取ってくれて、音を一個ずつ入れていくうちに、それ以上のものができましたね。
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――butterfly inthe stomachの曲は、いわゆる10代の頃の気持ちや情景を切り取ったものが特徴ですが、『BANK』に収録されている曲はほとんどがノン・フィクションなのでしょうか?
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| 小野: |
…そうですね。ノン・フィクションですね。もちろん、ちょっと脚色したりとかもあるんですけど。でも、「フォトグラファー」を出した時、“自分のエピソードを教えてください”っていう企画をやって、その時に、みんな同じようなことあるなって思って。フィクション、ノン・フィクションは大事なんですけど、できれば聴いてくれた人のノン・フィクションなところと繋がりたいなって思いますね。
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――個人的な経験や出来事を歌詞にするということは、それと同時に聴く人を限定させてしまう可能性があると思うのですがそれについては?
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| 小野: |
僕らのような歌詞じゃない音楽って色々あると思うんですけど、それこそありふれてるなって思った時期があって。差別化ってわけではないんですけど、他の人がbutterfly inthe stomachってこういうバンドだってわかるようなバンドになりたいなって思って。挑戦だったんですよね。「カシミヤ」とか「伸びた白線」とか、これ歌詞じゃねーなって思いながら、それでもやってみようって思って作った曲だったので、限定させてしまうのもいいかなって思いましたね。
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――青春時代の光景や景色をフォーカスしているのは?
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| 小野: |
この2人と再会したことですね。小中学校の同級生で、高校上がってちょっと会わなくなったんですけど、高校卒業くらいにまた会うようになって。なんか、“青春が帰ってきたぞ!”みたいな(笑)。それをせざるを得なかったんですよね。基本的にはそこが一番。この人たちいなかったら、たぶんこういう詞にはなってないと思うし。
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| 小澤: |
再会した時に、当時の感覚が、忘れかけてた青春時代が蘇ったみたいな。本当、僕たち子供ですよ(笑)。
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| 小野: |
それも僕のせいだと思うんですけどね(笑)。精神年齢を下げているんですよね、僕が。それくらい、その離れてた期間が戻っちゃったっていう。
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――もっと、青春時代の恋愛とかが影響しているのかなって思ってたんですが、そうじゃないんですね。
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| 小野: |
そうじゃないんですよね。何でこんなに、高校3年間のもう終ったことを、20歳超えてからぶり返してんだろうって考えたら、やっぱそうかなって。
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――実際タイトルにもなっていますが、“運命”に対するものを歌ったものが多いと思うのですが。
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| 小野: |
運命は信じてないです、全然。でも、すごくわかりやすい話をすると、友達と偶然ばったり会ったり、ポンポンとそういうのが続いたりして、“コレは何かの前兆だ”みたいな風に思おうとすると、プワァーっと活性化してきて(笑)、曲が作りたくなる。で、読み直しても、くだらないこと言ってるなってなるんですけど、基本的にプワーってなった時を信じたいなって。そんなのつまんねえよって言ってる自分もいて、こっちの方が基本なんですよね。だけどたまに、フワっと反対側に行っちゃう時は、切羽詰ってる時っていうか、伝えることとしては強いかなって。
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――特に思い入れ強い楽曲はありますか?
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| 小澤: |
難しいですね。…「カシミヤ」は、モロにわかるんですよね、歌詞世界が。何のことを歌っているのかとか。よくコレを人前で歌えるなっていうぐらい(笑)。だいぶ気持ち悪い男の子の話なんです。誰とかじゃなくて(笑)。
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| 小野: |
いや、作らざるを得なかったんだなって(笑)。その曲を作ったから次に行けたっていうのはすごくありますね。これを作ったから抽象的な言葉を使えるようになったんですよね。“やっとこうゆう、詞みたいなのが書けたな”みたいな。
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| 渡辺: |
あえて言うのならば…「フォトグラファー」。小野が初めて持ってきた時のことを今でも覚えてて。スタジオでギターで聴かせてくれて。歌詞も耳に入るし、メロも耳に残って、瞬間にもう自分が気に入って、これは絶対良い曲だなと思って。聴いてくれた人にも良いって言ってもらえるなって、完成する前から思ってましたね。
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――ラストの「ninety seven」ですが、’97年はもう過去で、次へ進む一歩だということですが、すごくその先が気になります。『BANK』は、’07年までとのことでしたが、その先はもう見えてるのですか?
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| 小野: |
はい、見えてるんです。どの曲も、ちょっとやっただけでポコンポコン道筋が見える。期待して欲しいなって思うんですよね。’97年を超えたなって(笑)。
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――では、後から見たときのターニング・ポイント的なものになりそうですね。一旦終わったというか。
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| 小野: |
そうですね、僕の中ではそういう感覚です。’08年に入って、僕は曲が作れなくなっちゃったんですよ。半年くらい。今まで貯金してきたんですよね。それを今、下ろしてるんです。どんどんどんどん下ろしてやろうっていう感覚なんです。だから『BANK』ってタイトルも、今思えば本当に良いタイトルだなって。今までは本当に、色んなものを吸収して、取り合えずどんどん入れてって。それ以上は入んなくて、で、半年間曲が作れなくなって。夏終わりくらいから、できることからやろうってシフトしたんですよね。
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――最後に、このアルバムをどういう風に聴いてもらいたいですか?
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| 渡辺: |
基本は好きなように、電車の中とか好きな時に聴いてもらえればいいなと。それで、さらに僕らに期待してもらって、それに応えていきたいなと思います。
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| 小野: |
それぞれある思い出とかを、拾いたいなと。基本的には、人は前を向いて歩くべきだなと思うけど、たまにちょっと振り返ったり、自分がここにいるのはこういうことがあったからだよっていうのを、『BANK』を聴いて拾ってくれたら、すごく嬉しいですね。
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| インタビュー・文/福田 尚子 |