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──今回、前作で曲作りの為に使用した、小渕沢のスタジオを本格的にレコーディング・スタジオとして、いちから作り上げたということなのですが?
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| 原田郁子(vo&key): |
『id』はプロデューサーをはじめ、いろんな人の力を借りたところが大きかったから。今回はほとんどゲストを迎えずに、自分たちでやったという手ごたえがありますね。
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| ミト(b): |
その唯一のゲスト(CINEMA dub MONKSの曽我大穂/blues harp)は自費で遊びにきただけでしたからね(笑)。
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| 郁子: |
エンジニアの人もわたし達より年下なんです。だからほんとうに一緒にやったという感じが強いんですよ。
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| ミト: |
今回、トロピカルという自分たちの事務所を立ち上げたり、コロムビアに移籍したりといったなかで、この小淵沢という場所を自分たちのスタジオにすることのメリットをすごく考えていて。『Re-clammbon』ぐらいから、東京のスタジオの純音楽作業工房みたいな部分に、有機的な化学反応みたいなものへの限界も感じていて。事務所を経営することにあたって、結構始めは手間と費用がかかるけれども、やりたい時に楽器が触れて作品を作り続けられるっていうのは僕らにとっては非常に有意義だし。前回そういう場所を使わせてもらったというところで、じゃ一緒に共同でちゃんとしたスタジオにつくりなおしません?というところがほんとうにきっかけだったんですよね。だから最初はけっこう生半可な気持ちだったんです(笑)。でも実際に立ち上げたら、一ヶ月ぐらいかかっちゃって。機材はなかなか来ないし、大変でした。
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| 伊藤大助(dr): |
東京に戻る日に来たりしたんだよね。
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| ミト: |
レコーディング全然出来ないじゃん!みたいな。そういう気持ちを「意味はない」でいっぱいしゃべってるんです(笑)。
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| 郁子: |
あとは、わたしたちがポーンと小淵沢に行ってしまえば、いろんな人が出入りしていろんな意見を言うのではなくて、本当に最小人数の作業でまかせてもらえる。そういうのは楽だなぁと思って。
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| ミト: |
もともとスタジオにはいろんな人を介在させていなかったんですけれど、今回は特に集中できるところは大きかったですね。
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──そうしたバンドの環境つくりみたいなところから組み立てていった今回のアルバムですが、やはりソングライティングの部分でもやっぱり影響があったのでしょうか?
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| ミト: |
セッションから曲作りを進めていくというのは、前作と変わらなかったですけれど、ハードディスク・レコーダーやプロトゥールスを導入したので、素材の量が前より倍になりましたね。でも環境整理をしながらの作業で、あまり時間もなかったので、とにかく、スピーディーにスムースに作業ができる方法を考えて。実は瞬間瞬間の思いつきも、いろいろ詰め込んでいきました。
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| 郁子: |
迷っている暇がなかったんですよ。作業の途中でも歌詞を見せ合ったりして、ここまで出来ているんだけどどう?みたいな。
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| ミト: |
ミックスも何回もやり直しているのですが、それもフットワークを軽くしてやっているがためにできることだったりするんですよ。
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| 郁子: |
それは今まででは考えられないよね。
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──そうした作業を通して、バンドの出す音としての自由度も確実に増してきているということですね。
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| ミト: |
もっとこうしたいな、ということをひとつひとつだけど実行に移すことができてきて、自分たちのやりかたが解かってきた。今回はそうした環境の変化もあって、楽器へ向かった瞬間に、とにかく楽しくやろう!みたいなイメージがすごくあったと思うんです。今の自分の生活が、リアルに見れている状況であればあるほど、もっと曲のイメージを違う視点で見ることが出来て。なにげにそうすると一音一音が立って聴こえているような気がしましたよ。
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| インタビュー・文/駒井憲嗣 |