|
──今回の来日公演はどうだった?
|
| セバスチャン(dr/vo): |
オーディエンスの反応がよくて、すごく楽しめたよ。英語がわかるオーディエンスがほとんどいない場所でのパフォーマンスって、なかなか新鮮なものだったしね。いつもとは異なるエネルギーを得たよ。
|
|
──そんなライヴを観て改めて思ったんだけど、ベースとドラムというミニマムな音の構成でありながら、よくあんなエモーショナルな音が出るなって。あの音を出す秘訣ってあるの?
|
| ジェシー(b): |
オーディエンスの前で正直な自分をさらけだすことかな。そうすると、観客も正直に反応してくれる。オレたちとオーディエンスの化学反応で、音がエモーショナルなものになっていくんだ。だからステージ上で孔雀のように美しくみせよう、なんて全然考えてない。素のままのオレたちをさらけだすものを、と心がけてパフォーマンスをするんだ。
|
|
──あなたたちの音作りにおいて影響を与えた音や、バンドってある?
|
| セバスチャン: |
もともとオレたちは、ニュー・ウェイヴのバンドをやろうと思って結成したんだけど、うまくいかなくて。というのも、ライヴでやると、どうしてもパンクっぽくなってしまうからでさ。その後もニール・ヤングとか、レッド・ツェッペリンとか、ダフト・パンクとかいろんな音に挑戦して、どれもうまくいかなかったよ。でもそういういろんな音の経験をしたからこそ、今の音が構築できたと思うよ。
|
|
──音作りに対するこだわりは?
|
| ジェシー: |
2人しかいないから音の制約がでてくることもあるけど、基本的には自由。それぞれが思ったとおりのことを表現しているまでさ。例えばセバスチャンがヴォーカルを入れるタイミングだったりとか、アイツがいいと思うところで入れてるからね。それぞれのパートはそれぞれの感覚におまかせなのさ。
|
| セバスチャン: |
手法的にはハウスの感覚に似ているのかな。ハウスってミニマムなスペースのなかで音の構築がされてるけど、聴くとそんな制約なんて感じないだろ?オレたちの音もまさにそう。2人というミニマムな音のスペースでありながら、そのスペースとは別次元の広がりのある音を提供していると思うよ。
|
|
──また曲の収録時間も、たいてい2〜3分で終わるミニマムなものだよね。
|
| ジェシー: |
できるだけ無駄のないカタチで音を構築していると、自然とそんな短い時間になっていくんだ。それに、曲は4分という決まりを作って、そのために4分の曲を作るってのは、クリエイティヴじゃないよ。学校でやる感想文みたいじゃない?
|
|
──セックス・ピストルズは、いいパンク・ロックを作るために必要なのは「セックス・ドラッグ・ロックンロール」だと言いました。さて、あなたたちにとって、よい音を作るために必要なものとは?
|
| セバスチャン: |
なんて困ったバンドなんだ、ヤツらは!! 歴史的にはいいバンドかもしれないけど、サイテーなヤツらだな。彼らに本当に必要だったのは、きちんとコントロールしてくれるマネージャーと、スタイリスト、麻薬中毒を直すカウンセラーだったんじゃないのか!?
|
| ジェシー: |
オレたちにとって必要なものは、アイデアさ。それさえあれば、曲は完成し、あとは実行するのみだからね。アーティストとは本来、何かに頼るんじゃなくて、自然と頭のなかからわき上がってくるものを表現すべきだと思うんだ。
|
| インタビュー・文/松永尚久 |