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――2年ぶりの新作ということで、ポップで弾けた“カジ君ワールド”は健在ながらも、随所で新たな側面を垣間見ることができる作品に感じましたが、ご自分ではこの作品をどう捉えていますか?
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| カジヒデキ: |
前作の『A Long Week-end』は、わりと自分の中ではソロとしての集大成のつもりで作ったというのがあって、次は何か新しいことをしたいなと思っていたんです。“カジヒデキ”としてではなく、別の名義で作ろうと考えたりもしていて。そんな経緯なので、新しくもあり、従来の“カジヒデキ”としての世界観も引き継いだような、すごくおもしろい作品になったなと感じています。
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――今回はスウェーデンを始め、デンマーク、UKにてレコーディングされたそうですが、当初からこの3カ国に決めていたのですか?
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| カジヒデキ: |
今回は最初からどこで誰とやろうというのは決まってなかったんです。どちらかと言えば、こういうサウンドを作りたいっていうのが先にあって……。実際そこにはたどり着かなかったんですけど、出発点として、ガレージっぽいのがやりたいという気持ちがあったんですよ。あとはエレクトロクラッシュとか。で、誰とやろうかって考えていたときに、ちょうど今回プロデュースをしてもらったルードヴィックにスウェーデンで久々に再会して。その頃、彼もソロ・アルバムを作り始めたときで、すごくポジティブなオーラを発していたんですね。デンマークもその流れで、ルードヴィックに誘われて行ったライヴでトーマスに会ったんですけど、彼にすごく惹きつけられてしまって……。彼、キャラクターがホント濃いんですよ(笑)。それでトーマスがコペンハーゲンにおもしろいスタジオを持っているから遊びに行こうという話になって、レコーディングに至ったわけです。
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――なるほど。では初めからスウェーデンにこだわったわけではないと?
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| カジヒデキ: |
そうですね。でも、結果的にはルードヴィックを基点に交流関係がすごく広がったりして、今まで以上に、サウンドだけでなく日常的な面でもスウェーデンの影響が、作品にすごく出ているなあとは思いますね。そういうこともあって、今回初めてタイトルにスウェーデン語を使ってみました。タイトルの“lov(ローヴ)”とは “葉”という意味なんですけど、このアルバムを象徴している言葉だなと思いますね。いろんなタイプの曲、つまり葉が重なり合っている感じとか、ヨーロッパの緑が溢れている光景だったりとか。あと“love”って言葉にもすごく近いでしょ。発音も似てるしね。
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――今回、例えば「Polite Song」でアウトキャストのリズムを下敷きにされたりと、音作りに関しても、これまでとはまた違った影響がうかがえますが。
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| カジヒデキ: |
「Polite Song」に関して言えば、僕がアウトキャストの作品、特に最近の作品が好きだったり、レコーディングしているときに、ヨーロッパで「Hay Ya」がすごく流行っていたというのもあって。ほら、あの曲って、すべての音楽ファンが好きになるような、良質なポップ・ソングじゃないですか。それでアレンジを考えたときに、自然とベースになったわけです。
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――全体的にも、サウンドに“今”の空気が反映されていますよね?
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| カジヒデキ: |
そうですね。元々アルバムの構想がガレージからスタートしたっていうのもあり、ホワイト・ストライプスとかストロークス、あとはラプチャーとかにも刺激を受けてますね。特にフランツ・フェルディナンドの2ndシングル「Take Me Out」は、トーレがプロデュースしたということもあって、実際にあのドラムの録り方とか教えてもらったりして。今回は、わりと日常の中に流れている、最近のロックやヒップホップなどから、素直に影響を受けていると思う。コンテンポラリーな感じにしようと意識的に心がけていましたね。
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――ところで、今作のアルバム・ジャケットは、ポップでカラフルな印象の強かったこれまでの作品とはだいぶ趣が違いますよね。アート・ワークはSHOKOさんが担当されたということですが、カジさんご自身のアイデアもデザインに反映されているのでしょうか?
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| カジヒデキ: |
最初の時点ではカラフルな、それこそマリメッコの柄みたいな、ヴィヴィッドな感じにしたいというのを伝えていたのですが、じっさいに音を聴いてもらって、イメージを膨らませてもらったら、こうなったと。でもすごくおもしろいと感じたんですよ。元々、アルバムの出発点もガレージだったり、ちょっとゴシックで暗い感じにしたかったっていうのがあったりして、彼女はそういう部分を見抜いたんじゃないかなと。だから最初にデザインを見せてもらったときに、予想外でありながら、自分の内側を見抜かれたなと思って、ちょっと感激しちゃいましたね(笑)。
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| インタビュー・文/米津裕子 |