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――1曲目の「あなたにいてほしい」から、今までとはかなりタッチの異なる曲で惹きこまれました。特に二人のチェリストによる幽玄な音が独特の雰囲気を醸し出してますね。
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| ノラ: |
このアレンジのアイディアは私が出したの。最初にギターとヴォーカルだけをレコーディングして、そこにパーカッションをのせようとしたんだけど、どうもうまくいかなくて。何かキレイな、それでいてやりすぎにならない音をのせたくて、それでチェロを思いついたのよ。
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――「戦時の恋ってフェアじゃないわ」という歌詞の一節が印象に残りました。この歌詞は、始めから“戦時”というシチュエーションを想定して書いたのですか?
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| ノラ: |
ええ、そうよ。
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――その理由は?
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| ノラ: |
人は世の中で起こっていることに影響されるものでしょ?!
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――この歌詞は「私が愛する男なのに、彼らにはどうでもいいのよ」と続きます。“彼ら”というのは、政府のことですか?
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| ノラ: |
ええっと、歌詞の内容については、そこまで詳しく説明したくないの。聴く人に自由に解釈してもらいたいから。聴く人それぞれの捉え方をしてもらえればいいのよ。
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――そうですね。わかりました。では次の「シンキン・スーン」。トロンボーンが入るなど、アルバムの中でもっともユニークなアレンジの曲ですね。このアイディアはどこから?
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| ノラ: |
ちょうど、それをレコーディングしている頃、みんなでトム・ウェイツの作品をよく聴いていたの。トム・ウェイツっぽい曲でしょ?
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――確かに。
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| ノラ: |
トム・ウェイツが好む、オールド・タイム・キャバレーのヴァイヴがある。ジャジーでもあるけど。あ、でも私、ジャジーって言葉は嫌いなのよね(笑) だからオールド・タイム・キャバレーのヴァイヴって言ってるわ。
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――5曲目の「ノット・マイ・フレンド」も今までのあなたの作品とはタイプの異なる曲ですね。特にアダム・レヴィのギターが独特の雰囲気を出している。
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| ノラ: |
これはギターの音を録ったテープを逆回転にして使ってるの。今までやってない録音の仕方を今回はいろいろ試したんだけど、そのひとつね。それはエンジニアのアイディアよ。
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――歌詞も今までにない感じです。
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| ノラ: |
部屋で映画を観たあとに書いた歌詞なの。でもタイトルは言いたくないわ。ごめんなさい。教えてしまうと、みんながその映画についての曲だと思ってしまうでしょ? でも実際はそうじゃなくて、ただインスパイアされて書いただけなのよ。
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――「シンキング・アバウト・ユー」は第一弾シングル曲ですね。あなたがデビュー前にアシッド・ジャズ系のバンドであるワックス・ポエティックのイルハン・エルシャヒンと作った曲だそうですが、ワックス・ポエティックとはどのぐらいの期間、活動していたのですか?
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| ノラ: |
私がニューヨークに移り住んだ1999年から1年半ぐらい参加したわ。その間、私とイルハンは一緒に何曲か書いたけど、どれもまあまあといった出来で。でもこの曲だけは、私がすごく気に入っていたの。いつもこの曲のことが頭にあって、思い出しては試しにレコーディングしてみたりもしたんだけど、なぜかうまくいかなくてね。で、今回もう一度取り出してきてやってみたら、なぜだかわからないけど、初めてうまくいったのよ。タイミングってあるのよね。
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――それにしても、どの曲も、いつの時代に聴いてもよさそうな普遍性がありますね。「スタンダードであること」をあなたはどのように考えていますか?
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| ノラ: |
自分ではなんとも言えないわね。そういう曲を書こうと努力することは出来るけど、そうなるかどうかなんて予測出来るものではないし。でも、私の曲がそういうものだと思う人がいるのなら、それは素直に嬉しいわ!
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| インタビュー・文/内本順一 |