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――中近東やアフリカの音楽をレコーディングしようと考えた動機は何ですか?
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| 小野リサ: |
どちらもブラジルの音楽に影響を与えているルーツのような音楽なので、ルーツを掘り下げる旅のひとつとして、ですね。
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――ブラジルにはアフリカはもちろん、アラブ文化からの影響も大きいですよね。
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| 小野リサ: |
ブラジルにはアラブの移民も大勢住んでいるんです、とくに北東部に。ブラジルではアラブの料理もポピュラーで、キビ(注:挽肉の揚げ物)のようなスナックとか、アラブ人が持ちこんだ食べ物も定着してます。
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――中近東の音楽を題材として選んでいく過程で、どんな印象を受けましたか?
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| 小野リサ: |
ほとんど白紙の状態から始めたんですが、アラブの古典から最近のポピュラー・ミュージックまでいろいろと聞いていくうちに、西洋の音楽の土台になっているような奥の深さを感じました。音階が特殊でメジャーにもマイナーにもなりうるし、リズムも変拍子が多いし、とても高度な音楽なので新鮮な発見がたくさんありました。
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――こういう話を聞いていると、今回はとてもエスニックな内容のアルバムみたいな先入観を与えかねないけれど、実際に聴いてみると、実はここ数年の中で最もブラジル的な音づくりになってますね。
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| 小野リサ: |
フランスやイタリアの音楽はすでに形として出来上がっているので、そこに手を加える余地はあまり無かったんです。でも今回は音楽に対する予備知識が無かったから、逆に私がやってきた音楽の中に取り入れていくアプローチで作ったので、やっててとても楽しかったです。それと、ブラジルのミュージシャンを3人呼んでレコーディングしたので、音も自然にブラジルに近づいたかな。
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――アフリカの音楽は、これまでリサさんが歌ってきたブラジルの音楽にも大きな影響を与えていますけれど、アフリカの音楽そのものを歌ってみて感じたことはありますか?
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| 小野リサ: |
アフリカのいろんな音楽を聴いてみたら、童謡的っていうか、自分に近いものを感じるんです。いろんな技法を使って人間が作りあげた音楽というよりも、人間の根本的な感情がそのまま歌になった、そういうメロディーだからなんでしょうね。
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――アフリカが、音楽だけでなくすべての生命の源となる「母なる大地」であることを考えると、リサさん自身が母親になり、今また2人目のお子さんがお腹にいるタイミングでこのアルバムをレコーディングしたことは、まるで神の思し召しみたいですね。
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| 小野リサ: |
これは本当に偶然で(笑)。でも私自身、子供が産まれて子供の感性を間近に見ているうちに、自然に音楽を作れるようになったという実感があります。今回もいろんな曲を息子に聞かせて、彼が踊ったりすると、あ、これはイイ曲だって選んだりしました。
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――このアルバムで、音楽の旅がそろそろ終わりに近づいたと思いますが、この先は?
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| 小野リサ: |
これからも旅は続きます。行き先はまだ内緒ですけど。
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| インタビュー・文/中原 仁 |