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――新作は、何度も繰り返して聴くことができる、とても滑らかな感じのする仕上がりですね。
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| ジェフ・パーカー(J): |
トータスでは削ぎ落としていく作業が一番大きいからね。たくさん演奏し、素材をたくさん作っておいて、そこから必要ない要素を削ぎ落としていく。実は演奏を聴いていると、そんなにたくさんの演奏が被さっているわけではないのに、いろいろな音のレイヤーがあるように聞こえたりするんだ。
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| ダグ・マッコームズ(D): |
今回は特にいろいろな次元でいろいろなことが起きている曲が多いと思う。それは自分でも分からないんだ。
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――というのは、どういう意味ですか?
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| D: |
さっと表面的に聴いているときと、集中して聴いているときでまったく違う感じなんだ。演奏の中でも、微妙な音の違いとか、小さいディティールがあって、たくさんの濃密な演奏をしていなくても、その中でいろいろなことが起きているっていうことなんだ。
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――前作『Standards』はロック色が強くて、いままでのトータスのカラーを覆したわけですが、今回は前に戻ったというか、単に戻っただけではなくて、いままでの活動を総括するような内容に思えました。
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| D: |
僕の中では、新作は『Standards』の延長線にあると思っているんだ。『Standards』が出たときは、僕もすごく直接的なサウンドだなと感じたけど、いまになって振り返ると『Standards』の方がさらにデリケートな音が入っているアルバムだと思うよ。だから、僕は新作が元のトータスに戻ったという感じはないんだ。例えば、ツアーをやるときは、僕らはロック・バンドらしさが出てくるものだし、ツアーの終わりにはすごくラウドになって、速い演奏もするし、そういうエネルギッシュな部分に焦点を当てることもあるんだ。ただ、それをレコードでは出したことがなかったから、みんな『Standards』のロックっぽさに驚いたんだと思う。
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――新作を聴いていても、シカゴのあの自由に録音できる環境があるからゆえのトータス・サウンドと改めて感じました。
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| D: |
やっぱりスタジオ自体をひとつの楽器として使えて、いろいろアイディアを試せるという環境は、自分たちのサウンドにとってとても重要で、そこに制限があったら、まったく違うサウンドになっていただろうね。
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――いろいろな音が入っていてもレイヤーが滑らかなのは、そういうスタジオの使い方も含めて、バンドとして成熟した時期に突入したということでしょうか?
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| J: |
やはりスタジオで過ごす時間が重要だよね。メンバーそれぞれのバンド外の活動があっても、最後にはスタジオに集まっていろいろなアイディアを持ち寄る。スタジオで過ごす時間が長ければ長いほど、そういう技術は磨かれていくと思う。このバンドの裏にあるコンセプトそのものが成熟していると思うし、その意味で、新作はコンセプト的にも音楽的にもいままでの中で一番高いレベルを実現できたと思う。自分たちの成長を反映しているかもしれない。
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| インタビュー・文/原 雅明 |