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――まず今回のアルバム・タイトル『スリー・ストリート・ワールズ』。タイトルの由来について伺いましょうか。
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| ロブ・ギャラガー(以下ロブ): |
イースト・ロンドンはカニング・タウン一帯のことを指しているんだ。いわゆるブルー・カラーの人間が住む一帯でね、ロンドンという大都市の中にありながら都市の恩恵にあやかれない街なんだ。僕の妻でもあって、今回もヴォーカルとして参加しているヴァレリー・エティエンヌ。それにポール・ジェイソン・フレデリックスは、この街の出身なんだ。彼らは幼馴染み同士でね。一時期部屋をシェアしていたことがあって、ジャケットの写真はその部屋から撮ったものなんだ。ちょうどビルが見えている辺りがそうだよ。
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――具体的に言うと、それがどうタイトルに結びついたんでしょう?
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| ロブ: |
その一帯はさ、3つの通りに囲まれた三角地帯にあるんだ。いろんな人がいるんだけど、一生そこから出ることの出来ない人達もいる。つまり、ずっとその世界からの視点しかもつことができないんだ。対して僕らは多くの国を旅し、様々な視点をもっている。“世界に対する視線〜その相違”。着想をそこから得て、全体的にはサウンド・トラック的な世界観になっているね。
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――では、個々の楽曲的な面で言うとどうですか?
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| ロブ: |
例えば「TWO MILES BEFORE DAWN」は、カニング・タウンの街をカメラがスライドしていくようなイメージで作った。スライドしていって・・・“パン(=寄り)”のイメージ。対してワルツ調の「ANGEL’S WALK」は、N.Y.のブロードウェイを誰かが出勤していくイメージなんだ。
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――制作的なプロセスでは、どういう役割分担になっていますか?
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| ディーマス: |
ロブがプリプロで作っている段階に、僕がいろいろとイチャモンを付ける。そういうプロセスだね。実作業はほとんどロブがやっているんだ。(注:これは冗談で、実際の役割り分担は逆。ロブのアイデアを、ディーマスが形にしていく)
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――ディーマスさんは、エンジニアとしてロンドンのジャズ・シーンでも辣腕を揮っていますね。その中でもゼロ7での仕事は素晴らしいものがありましたが。
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| ディーマス: |
ゼロ7の2人は、ヤング・ディサイプルズ(ディーマスは彼らのエンジニアリングも担当していた)の時からの友人でね。スタジオでアシスタントをしていたんだ。それから時も経って、ゼロ7も随分大きくなってくれた(笑)。今回のアルバムの何曲かは、彼らのスタジオで録らしてもらっている。ゼロ7さまさまかもしれないね(笑)」
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――最後の質問なんですが、ロブさんはガリアーノ時代にこんな発言をしていました。「確かに僕らは黒人音楽を盗んでいるかもしれない。でも、仕方がないんだ。14歳の時からラジオで聴いてきたんだから〜僕は特別音楽経験がなくても、プレイ出来る。そういう考え方が好きなんだ」と。10年も前の発言なんですが、今もこれは変わらないですか?
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| ロブ: |
変わっていないかもしれないな(笑)。ただ、当時はそういう質問をされることに辟易していたよ。当時の英国は、今よりも白人蔑視の姿勢が強かった。だから、「黒人の音楽をやる白人」。そういうスタンスのガリアーノはよく本流のジャズから批判されたもんだよ。でもね、僕にしてみればそれは大き過ぎる話だったんだ。「白人がわざわざ黒人音楽を真似る必要があるのか?」〜一日議論しても解決するもんじゃないだろう? 今にしてみれば10年かかっても答えは出ていないんだから。・・・そうは言っても時代は変わった。今やアメリカなんかじゃ黒人達が自分達の音楽をキチンとマネージメントしている。ロンドンはそういう面でまだ遅れていて、多少蔑視の視線は残っているけどね。マクロ過ぎる議論なんだ。僕とヴァレリーの息子はブラックとホワイトのハーフだけど、ファラオ・サンダースへの愛情は僕よりも遥かに上だよ。生まれてまだ4ヶ月だけど(笑)。個人個人で考えれば、大した問題じゃないよ。
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| 取材・文/岡本俊浩 通訳/榎本甲(ブルース・インターアクションズ) |