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――久々にダンス音楽にフォーカスした作品になりましたね。
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| モービー: |
今回は無作為に曲を寄せ集めるんじゃなくて、一貫した語りというかテーマを取り入れたくなってね。僕にとっては、ニューヨークの街に出かけることを表現しているアルバムなんだ。これまで長い間を費やしてやってきたことだし。だからニューヨークのダンス・シーンへのラヴレターみたいなものさ。この街が持つダンス音楽への独特のアプローチが大好きなんだ。折衷主義なところや、ミュージシャンやDJ、クラブで踊っている人たちまで、みんなが解放的でオープン・マインドなところがね。
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――つまり、コンセプト・アルバムなんですよね。
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| モービー: |
うん、恥ずかしいからあまり言いたくないんだけど、ある一夜を凝縮したようなものなんだよ。一晩の出来事を60分にまとめてる。面白い一夜を過ごした時って、たった数時間なのに一生のような長さを感じるものだから。
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――そもそもあなたは80年代にDJとしてキャリアをスタートしたっけ?
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| モービー: |
ああ。当時はディスコへの反動で誰もダンス音楽など聴きたくないという時代だった。でも、ニューヨーク以外ではまだ活気があったんだ。DJはヒップホップやダンスホール・レゲエやハウスや奇妙なエレクトロニックなんかをかけて、信じられないほどオープンだったね。あの時代に青春時代を過ごせて、本当に幸せだと思ってるよ。
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――そしてこのアルバムも、ダンスと一口に言っても多彩なサウンドを網羅しています。
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| モービー: |
ソウルフルなディスコ、ピアノ中心のレイヴ・アンセム、静かなアンビエント・ミュージック……。どれも過去に深く関わってきたジャンルで、僕が本当に愛し、僕に語りかけてくる音楽だよ。だからスタイルを統一することにこだわるんじゃなくて、自分が本当に好きなレコードを作ろうと思ったんだ。それに今のダンス音楽を一言で表すとしたら、「多様化」ってことになるんじゃないかな。90年代にはやたら細分化されて、2ステップしか聴かないとかドラムンベース専門って人がいたけど、今は誰もが何でも受け入れる。どんなジャンルだって構わないし、アップテンポでもスローでも、いい音楽ならみんなが反応してくれるからね。
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――ゲストに関しては、ナイジェリア出身のヒップホップ・ユニット419クルーから、あなたの親しい友人たちまで大勢参加していますが、中でも伝説的MCグランドマスター・カズの参加が話題ですよね。
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| モービー: |
彼を起用した『アイ・ラヴ・トゥ・ムーヴ・イン・ヒア』にはオールドスクール・ヒップホップ的な要素を取り入れたくて、当時のラップの名人たちのことを思いついたんだ。カズもその1人で、’75年からラップしてる。僕はコネティカット育ちの白人だから、ヒップホップとの長い関わりを話すのは気が引けるけど(笑)、昔はよくヒップホップ・クラブでDJをしていたんだよ。いつも手元にマイクを用意しておいて、ビッグ・ダディ・ケインやランDNCの面々が来たら、フリー・スタイルをやってもらったりして。この26年間ずっと聴いてきたから、アルバムにヒップホップを取り入れるのは自然なことなんだ。
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――もうひとつ特筆すべき点があるとしたら、従来と違ってあなたが一切ヴォーカルを担当していなくて、パーソナルな要素を排除している点なのでは?
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| モービー: |
ああ。これまで作ったアルバムの中で、最も僕自身と切り離されている作品で、だからこそ制作を大いに楽しめたのさ。前作には僕が密接に関わっていたよね。全ての楽器を僕が演奏し、僕が歌い、歌の内容もパーソナルなものだった。今回は少し自分から離れていて、みんなに喜んでもらえるダンス・アルバムになればいいなと願ってるよ。
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