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――10年前にあなたが『OK Computer』を作った時よりも時代が変わってきて、少しずつ物事が良くなっているのか、悪くなっているのか、そこまでは見えない。そのあたりは、あなたがこのアルバムで「怖いことはあまり歌いたくない」と思ったことにも影響を与えているのでしょうか。
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| トム・ヨーク(Vo&G): |
自分でもはっきりはわからないんだけど……僕らは今、地球温暖化のような広く蔓延した外的危機に自分の周りの世界が脅かされるという時代、そして場所にいるわけだよね。つまり、地球温暖化によって、これまで自分に教えられた価値観が全て覆されたわけなんだ。全ての人がこれまで“消費は善”、“繁栄こそが前に進む道”、“経済は拡大しなきゃいけないもの”と教えられてきた。でもこれらが全て、今、我々を破滅へ向かわせている。一体それをどうやって一曲の歌の中で伝えろっていう。
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――確かに。
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| トム: |
だから、頻繁に襲われるパラノイアといった『OK Computer』の頃に歌のインスピレーションの元となっていたものとは、わけが違うんだ。ここで歌っているのは、まさに“拒絶”なんだよ。今回のアルバムの歌詞を表す上で最も重要な言葉は“拒絶”だね。あまりに怖いから、きちんと機能するために、生き続けるためには“拒絶”が必要なんだ。と同時に、もっと小さい、自分の世界に目を向けるしかない。自分が理解できる、自分が変えることのできる世界にね。まさに“think globally, act locally(地球規模で考えて、地元規模で行動を起こす)”ってことなんだ。これは一緒に活動をしているFriends of the earthっていう団体のキャッチ・フレーズなんだけど、それに近いことなんだと思うよ。
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――なるほど。あなたは昔から凄く素敵なアートワークを作ってきたわけで、要は、今回の特殊なリリース方法はフィジカルなものをなくしたいという気持ちでは決してないと思うのですが、実際のところ、ダウンロードで無料でも購入できる販売方法をとった理由は?
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| トム: |
フィジカルなものやアートワークに関しては、今でも凄くこだわっているよ。だからこそ、今回豪華ボックス・セットの他に、普通のCDとアナログのリリースも、間をあまり開けずにやるわけで。アートワークがあることは大事だと思うし、目の前に実際に手に持てるものがあることも大事だと思う。ダウンロードをやったことに関しては、あれは自分達の手によって音楽を同時発信できる面白い方法だと思ったというのと、興味がある人達に直接提供ができるという魅力と、それができる環境があったのでやったんだ。既存のものに取って代わるこれからの新しい音楽のリリース方法というよりも、個人的にはむしろラジオだったり、子供の頃にカセット・テープを友達同士で交換していたのに近いものだと思ってるんだ。
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――なるほど。
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| トム: |
なぜなら、ダウンロードにはいい面もたくさんあるのは確かだからね。オックスフォードにはいいレコード屋がなくて、でもロンドンにもそこまで頻繁には行けないから、新しい音楽を発掘するのには凄く便利だと思う。ただ、結局は(アートワークなどで)全てを経験できないから、完全には満たされないんだ。僕だけがそうなのかもしれないけどさ。それにMP3は、やっぱり音質が劣ってしまうからね(笑)。
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