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――今作はどのようなテーマを想定して制作されましたか?
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| リック: |
人が思うようなコンセプトやテーマはなかったよ。ただし、アルバムの作り方という意味で、考えていたことはあった。何に向かってアルバムを作るか、ではなく、どう作るかだ。何をするにしても、一歩ずつ進めたいと思った。’07年のためのテクノのレコードにするぞ、とかアンビエントにする、チルアルト・ミュージックにする、というコンセプトやヴィジョンを掲げるのではなく、一歩ずつ二人で歩む旅路なのだとね。過去のアルバムでは、しばらく曲を書いたあと、アルバムを完成させるのは僕の役割だった。でも今回はそうではなく、カールとエグゼキュティヴ・プロデューサーのスティーヴ・ホールにも、最後の最後まで、それこそ最後の日まで、同席してほしかった。難しいことではあったが、とてもエキサイティングだったよ。マッキントッシュのCore Audioというシンプルだけど素晴らしいソフトウェアのおかげで、それが可能となった。僕がミックスしたものをコンピューターやラップトップにインストールしておいて、アイディアが生まれたなら、1ヵ月後にでも簡単にボタンひとつで1ヵ月前の作業に戻ることができた。そしてその段階の音をレコーディングできた。つまりすべては、一歩ずつ歩んでいく旅路の過程だったんだ。歌詞の一つに“one foot goes down in front of the other, keep it simple”というのがあるんだけど、まさにそれがアルバムを言い当てている。もしコンセプトがあったのだとしたら、それになるだろうね。
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――なぜ、カールやスティーヴ・ホールにも最後までいてほしかったんですか?
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| リック: |
そうすることで、僕自身にとっても、カールにとっても、よりおもしろいものがみつけられると思ったんだ。‘01〜’02年の頃の僕らは、二人で音楽を作る時間がとても少なくなっていた。ライヴはいっぱいやっていたし、ミーティングや音楽の話をする時間はたくさんあったが、音楽を作る時間は減っていた。必ずしも同じスタジオにもいられない。そこで二人で“ホテルルーム・モード”というのを編み出し、コンピューターでアイディアのやりとりをしたんだ。互いのアイディアを互いのコンピューターで作業していくうちに、どちらのアイディアだったのかもわからなくなるし、関係なくなる。すべてはそこから生まれていったんだ。カールと大好きだった音作りをもっと一緒にしたいという僕の気持ちからスタートしたんだよ。友人としてのカールは大好きだけど、一番好きなのは一緒にアートを作ることだからね。
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――今回5年ぶりのオリジナルということですが、アルバムの制作期間というのは?
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| リック: |
アルバム製作がどこからスタートして、どこで終わったのかもわからない。最終的に収録されなかった曲も、いずれの時点で発表されるだろう。でも「Beautiful Burnout」などは、もう6年間も取り掛かっていた曲なんだ。’01年に書いたものの、当時のアルバムには入れられなかった。そういった古い曲を‘再度訪れる’ことは、ライヴではいつもやっていることだ。さらには新しいコミュニケーション手段も手に入れた。インターネット・ラジオでのオンエアとか。いずれ『Oblivion With Bells』 も僕らのやっていることの一つに吸収されて、言語、手段、アルファベット、ジャムの一つとして利用されることになるだろう。というか、そうなってくれることが僕の願いだ。
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――「Glam Bucket」のような、切ない感じを前面に押し出した、エモーショナルで美しい楽曲は、これまでなかった曲調のようで意外性を感じました。リスナーの感情に直接訴えかけているような音という印象を持ったのですが、そのような意図は込められているでしょうか?
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| リック: |
あの曲はダニー・ボイル監督の『Sunshine』のサントラを仕事をしたことがきっかけで出来た曲だ。彼と話をして、映画のラフカットを見せてもらい、その時に感じたフィーリングが曲に反映されているんだ。君の言いたい意味はよくわかるよ。とてもドラマティックで、激しさのある曲だろ。僕らもそういう部分をすごく楽しめたので、『Oblivion With Bells』に入れたい、と思ったんだ。たしか日本盤にはボーナストラックとして、「Lords Of Birds」が入っているはずだよね。あの曲は音的には「Glam Bucket」ほどドラマティックで、ヴァーグナー風には聴こえないかもしれないが、エモーショナルな感情から生まれている曲だという点では似ているんだ。
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