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INTERVIEW
他の人が作った曲を借りて、どこまで今現在の自分のサウンドが表現できるのか、それをやってみたかったんだよ。

Paul Weller Interview 『スタジオ150』――前作『イルミネーション』以来2年ぶり、スタジオ・アルバムとしては通算7枚目にあたるウェラーの新作は全曲カヴァーからなるわけだが、選曲をご覧いただければおわかりのように、これが一筋縄でいかない作品に仕上げられているのだ。レコーディングはオランダはアムステルダムのスタジオ150にて5週間で行われたという。ウェラーにとっては、ソロになってからは初の海外レコーディングとなる。そこで今回、ロック・オデッセイ出演のために来日したポール・ウェラーにインタビューすることが出来たので、その抜粋をご紹介しよう。
――まずは、『スタジオ150』が全曲カヴァー集となった経緯についてお聞かせください。
ポール・ウェラー: これは数年来、僕の夢だったんだよ。つまりカヴァー・アルバムを作るというのは。ただし、なかなかタイミングが合わなかった。でも、そうこうするうちに、今回、そろそろニュー・アルバムを出そうかって話になったとき、僕自身のオリジナル・マテリアルは2、3曲しかなかったんだ。なんか最近は曲を自分で書くという気にならなかった、不思議なことにね。それで、これは長年の夢を叶えるには絶好の機会だと思ったってわけさ。
――たとえば貴方と今回、一緒にロック・オデッセイに出演するエアロスミスの新作『ホンキンオン・ボーボゥ』も全曲カヴァー・アルバムなんですよ。これは彼らが影響を受けたブルースやR&Bといった、いわゆるルーツ・アルバムなんですが、『スタジオ150』は貴方のルーツ・アルバムってわけでもないですよね。
ポール・ウェラー: う〜ん、エアロスミスのそのアルバムは聴いてないけど(笑)。ただ、君の言うとおり、これはルーツ・アルバムじゃない。むしろ、“今現在の”僕が歌ってみたい曲、あるいは今の愛唱歌ばかりを集めたものなんだ。ルーツ・アルバムを作るんだとしたら、ビートルズにザ・フー、スモール・フェイセス、キンクスにモータウンだのって当然入るわけだけど、今回はさっきも言ったような理由から、そういった曲はまったく入っていない。他の人が作った曲を借りて、どこまで今現在の自分のサウンドが表現できるのか、それをやってみたかったんだよ。
――ポール・ウェラーといえば、やはりモッズファーザーと言われるくらいに、現在でも世界中のモッズたちからはアイコンとしての存在として語られていますが。
ポール・ウェラー: いや、なにもモッズは僕一人が広めたわけじゃないし、でも昔は躍起になって自分がモッズであることを否定したりもしたけれど、今は“ああ、そうだよ、僕はモッズの一人だよ”って言えるようになったのはあるかな
――モッズは非常に英国的な若者文化だと思うのですが、貴方の眼から見て日本人がモッズのファッションやサウンドに憧れているのには、どう感じられますか?
ポール・ウェラー: イイんじゃないかなあ。とてもイカしてるよ。モッズが英国人だけのものだったのは、せいぜい80年代くらいまでであって、今じゃ、世界各国のクールな若者たちにとっては共通言語のようなものになりつつあるからね。
――まだ『スタジオ150』が発売されていないのに気が早いのですが(註:このインタビューが行われたのは7月23日)、ニュー・アルバムはオリジナル中心になるんですか?
ポール・ウェラー: うん、多分、そうなるだろう。ただ今は曲を書くという行為からは一度距離を置いてみたくてね。まだ次のアルバムについては白紙状態なんだ。でも、僕の場合、書く気になったら一気に書くタイプだから...ただ、それが数ヵ月後になるのか数年後になるのかは、今はまだわからないよ!(笑)。

インタビュー・文/小松ア健郎
LIVE REPORT

THE ROCK ODESSEY 横浜公演をリポート!!

ここでは、去る7月24日に横浜総合競技場にて行われたロック・オデッセイでのウェラーのライヴについて、ごく簡単ではあるがリポートさせていただこう。それにしてもミッシェル・ブランチと稲葉浩志に挟まれる形での出演というのは、考えてみればシュールの一言に尽きる(個人的にはザ・フーの前こそウェラーに相応しかったのでは、なんて勝手に思っちゃったりもしてるのだが...)。さて、この日はとにかく猛暑真っ只中。特にウェラーが出演した2時頃が一番のピークであった。太陽はギラギラと照りつけて、とにかく暑い。
 そんな中、ウェラーは、愛弟子、オシャン・カラー・シーン(OCS)のスティーヴ・クラドックをギター、前年暮れにOCSを脱退したばかりのディーモン・ミンケラをベースに、そしてスタイル・カウンシル時代からのパートナー、スティーヴ・ホワイトをドラムに従え、ステージに登場。スティーヴ・クラドックと激しい中傷合戦を繰り広げた上でのディーモンのOCS脱退であっただけに、この2人がステージに並んでいるということで一瞬、会場はざわめく。とはいえ、このラインナップ、これはまさしく『スタジオ150』のレコーディング・メンバーであるのだ。
 というわけで、このラインナップだと、一瞬、ニュー・アルバムからのナンバーがセット・リストの中心になるのかもとも思われたのだが、あにはからんや、ザ・ジャム時代、スタイル・カウンシル時代、そしてソロになってからの作品から万遍なく選ばれたものとなった。ウェラー本人もこのフェスティヴァルの意義を理解してるようだった。とはいえ、「ザッツ・エンターテインメント」、「悪意という名の街」、「マイ・エヴァー・チェンジング・ムーズ」、「チェインジング・マン」「ピーコック・スーツ」といった御馴染みのヒット曲ばかりでなく、たとえばザ・ジャム時代の隠れた名曲「イン・ザ・クラウド」なども披露。“PAUL WELLER GREATEST HITS”でなく、まさに“HISTORY OF PAUL WELLER”といった内容に仕上げられており、そのあたりさすが“現役ロッカー”である。
 ともあれ炎天下の中、顔を真っ赤にしながら熱唱、熱演を聴かせてくれたポール・ウェラー。暑さをも吹き飛ばす熱いステージで多くの観客を魅了してくれたわけで、お次は是非とも『スタジオ150』をひっさげての単独来日公演に期待したいところだ。 


インタビュー・文/小松ア健郎
LINK

ポール・ウェラーに関する情報は下記HPで!

ポール・ウェラーのオフィシャル・サイト(英語):
http://www.paulweller.com/


V2 Records Japanのオフィシャル・サイト:
http://www.v2records.co.jp/special/a072_sc/040801/index.html


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