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VIBE AWARDS 2008
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伊藤綾香
Kasabian『West Ryder Pauper Lunatic Asylum』
Kasabian
『West Ryder Pauper Lunatic Asylum』

“今年リリースされた”という枕詞を取っ払ってしまって、“今までにリリースされた”にしても全く差し支えないくらい、自分の音楽歴をまるごと塗り替えてしまった怪作。この1枚でカサビアンにハマりましたが、いやー、遅すぎた・・・。もはやカテゴライズすらできない、ドロドロとしたサウンドがたまらん。何を隠そう、今年でっかいヘッドホンを購入したのは、1曲目の「Underdog」の重低音を聴きたかったがため、だったりします。

Muse『The Resistance』
Muse
『The Resistance』

中学からのお付き合いではありますが、しばらくブランクが空いて久しぶりに聴いたら「!!」と脳ミソをガツンと。自分が安穏と毎日を過ごしている間に、彼らは遥か先まで行ってしまったのかも。多分「愛こそが我らの抵抗だ!」なんぞのたまって許されるのは、ミューズくらいです。少しでも彼らに追いつけるように、来年1月の来日公演は日帰り大阪まで飛んで、勇姿を拝みに行ってきます。ライヴ見たら、本気で号泣するかも。

Timbaland『TIMBALAND presents SHOCK VALUE II』
Timbaland
『TIMBALAND presents SHOCK VALUE II』

さて、上の2枚は即効で決まったものの、あと1枚何を選ぼうかと腐心していた時に、正に神がかり的なタイミングでこの世にドロップされた、ティンバランドのオール・スター・アルバム。一聴して、もう文句なしに「これしかない」と思いましたね。ゲストの面子はもう豪華絢爛以外の何モノでもないので、ただ羅列するのは野暮ってもんだ。何がすごいって、彼らを完璧に生かすプロデューサーとしての素質だよ。シンプルに、神業。以上。

去年は割とバランス良く選んだつもりだったのですが、今年は気付けばこんなにギンギンなロック〜ヒップホップ寄りに。普段の私の好みを知る人には「どうしちゃったの?」と思われそうですが、本当に凄すぎる3枚なんだから仕方ない。そう言えば、去年のAWARDで挙げたザ・ティン・ティンズがグラミー新人賞にノミネートされていて、一人で「先見の明あるじゃん!」とかほくそ笑んでいる、痛い私です。『TIMBALAND presents SHOCK VALUE II』のシングル「Morning after dark」でフィーチャリングされているソーシャイは、個人的に来ると思ってます。そんなこんなで、来年は飛躍の年になるといいなぁ。いろんな意味で。


 
稲野辺昌功
From Karaoke To Stardom 『Undo Redo Weirdo Mix』
From Karaoke To Stardom
『Undo Redo Weirdo Mix』

今年のミニマル系の作品の中で突出した出来だった、フランスのJeremy Herpeによるプロジェクトの1st。ズブズブのダークなミニマルながらも抜群の音像配置と緊張感に満ちた音や、ブレない程度にまぶしてあるダブの要素で中毒性は高い。飽和気味なミニマルでもアーティストの個性で新しい音になり得るという好例。

Solomun『Dance Baby』
Solomun
『Dance Baby』

こちらはアーティストの個性で彩りを湛えたテック・ハウスに近いミニマルで、ディープながらもジャズやファンクなど生音に近い明るめの曲が中心。ただ生音にアプローチしただけでなく、それを違和感なく4つ打ちに乗せてダンス・ミュージックに消化したクオリティ高い1枚。

2562『Unbalance』
2562
『Unbalance』

去年辺りから顕著になったダブ・ステップからミニマルへのアプローチ。その中で2562は稀有の才能でその融合を一番エレガントに表現している。前作『Aerial』から融合の完成度はより上がり、ダブ・ステップというジャンルをさらなる高みへ導いているように思える。ジャンルの融合において今一番面白い所を実感できる作品。

今年は一大決心をして、音源の所有をCDからデータに一斉に切り替えました。1TBのNASに片っ端からCDをぶっ込んで売却。その決心の後押しをしてくれたのが、某誌のインタビューでのマーク・スチュワートの「価値は頭の中に残るんだ」という言葉。時代や年齢と共に音楽との付き合い方は変わってくるもんです。そして最近ジャズにも手を出し始めました。まだまだ知らないことがたくさん。来年も良い音に出会えますように。


 
猪俣ロミ
Joshua James『The Sun Is Always Brighter』
Joshua James
『The Sun Is Always Brighter』

ジョシュア・ジェイムスと巡り会えた事は、間違いなく本年のハイライトと言えるだろう。それほどまでに彼の音楽、詞、歌声、そして人間性にとりつかれてしまった。日本では未発売の2nd『Build Me This』と併せて、間違いなく「今年の1位」と胸を張って言える。

The Temper Trap『Conditions』
The Temper Trap
『Conditions』

“’09年期待の新人”としてデビューを果たし、2度の来日公演や、ひょんなゴシップ沙汰で日本でも名前が浸透したテンパー。何度聴きなおしても初めて聴いた時の衝撃を受け、また、ライヴとなるとそれを上回る楽しさと興奮を与えてくれる。早い段階での再来日に期待したい。

Emmy The Great『First Love』
Emmy The Great
『First Love』

彼女が奏でる音色と、リアルな世界観はまさに天才的としか言いようがない。話すとボケボケなのに、ひとたびライヴとなればその独特なオーラで我々を虜にしてくれる。10月に行なわれたエマとジョシュアの2マン・ライヴは、私にとってこの上ないコンビであったのは言うまでもない。

昨年、毎年恒例のクリスマス・パーティで50名の参加があったと記しましたが、今年はそれを上回る70名の参加がありました。運営側の人数も増やし、場所も前回より広めのところに引っ越したこともあり、混乱は思ったほどではありませんでした。参加して頂いた皆さん、そしてお手伝いして下さった皆さん、どちらにも大感謝です!! 来年は目指せ100人(?)、そしていずれは年末の一大イベントとなるよう、頑張ります! それでは、読者の皆さんにも明るい一年が待っていますように!


 
大平舞
Owl City『Ocean Eyes』
Owl City
『Ocean Eyes』

今年の春、たまたま入った洋服屋さんでかかっていた「FIREFLIES」に一瞬で心を奪われ、服を探すフリをして歌詞を暗記。家に帰って即効歌詞を検索して見つけたアーティストでした。キラキラした虹のような美しいメロディとアダム・ヤング(vo)の独特な歌声がとってもタイプで今年本当に良く聴かせてもらった1枚です。

Bowling For Soup『Sorry For Partyin'』
Bowling For Soup
『Sorry For Partyin'』

おバカ・バンドの代表とも言えるボーリング・フォー・スープの10枚目のアルバムが10月にリリースされました。誰が聴いても気分がアガる、パーティ・アルバムでありながらも、心に響く特別な“何か”を持っている彼ら。もともと西海岸パンク・ロックが好きなのですが、改めてその世界観に惚れこみました。

Lady GaGa『Fame』
Lady GaGa
『Fame』

やっぱり’09年はこの人なしでは語れません! 音楽のみならず、その独特なファッション・センスも注目されたレディー・ガガ。どこに行っても「POKER FACE」「JUST DANCE」がかかっていた気がします。“SPRINGROOVE 09”であのエイコンがライヴ中に自分の曲ではなく、「JUST DANCE」を歌い始めた瞬間会場が一体感に包まれたことは忘れられません。数々の場を盛り上げてくれてありがとう!

’09年は3年ぶりに海外旅行に行ったり、リンプ・ビズキット、マリリン・マンソンやジャックス・マネキンなど思い出に残るライヴを観ることが出来たり、10年ぶりの友人に会ったりと振り返ると毎月楽しいイベントがたくさんあった1年でした。最近の出来事といえば、富士急ハイランドで初めて“ええじゃないか”という絶叫マシーンに乗りました。今まで乗った絶叫マシーンで一番怖く、本気で途中から涙が出てきました。皆さんも是非機会があったら乗ってみてください!!


 
福田尚子
perfect piano lesson『Wanderlust』
perfect piano lesson
『Wanderlust』

メロディ、歌詞、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム…とにかくすべてがツボ。特に硬質で乾いたギターの音が堪らない!! センスが良いとはまさにこのことだと思います。そしてなんとメンバーは全員サラリーマン! ニ足のわらじとはよく言ったもので、仕事をされながらもまったく音楽に妥協が見られないその姿勢には、本当に頭が上がりません。今作のボーナス・トラックであるテキサス・パンダとのコラボ曲「heart & heart」は必聴です!

group_inou『ESCORT』
group_inou
『ESCORT』

時代の顔ですね。ロックのフィールドでここまで受け入れられたヒップホップ(というのもおかしい気もしますが)も、ここ最近では珍しいかと思います。ポップでキッチュなトラックの中毒性の高さはもちろんですが、私はいつも歌詞にぐさぐさと滅多打ちにされています…。言葉遊び的な要素満載のリリックなのですが、ドキッとするような生々しいところもあったり。初めて彼らのライヴを見たのはフジロックのルーキー。今でも鮮明に思い出します。

VENI VIDI VICIOUS『ベートーベンは好き。特に詞が良い。〜I Like Beethoven. Especially His Lyrics〜』
VENI VIDI VICIOUS
『ベートーベンは好き。特に詞が良い。〜I Like Beethoven. Especially His Lyrics〜』

ついに’09年が終わろうとしている訳ですが、ストロークスから始まったと言っても過言ではないゼロ年代、ここ日本でもまさかそんなロックンロール・リヴァイヴァル的な流れが生まれるなんて夢にも思っていませんでした。とは言っても、そういうことは別にどうでもよくって、今年1番衝撃を受けた歌詞が彼らの「Ano-Hacienda」だったのが選出理由。“何がロックだ 勘違いだ”。このシニカルな目線ってなかなか言えないもんだよ。

今年はたくさん音楽を聴くというより、大好きな1枚を繰り返し何度も聴いていたような気がします。なので“ベスト”というより“プレイ数”の方が正しいかも。邦楽オンリーになってしまったけど、カサビアンやガールズやジュリアン・カサブランカスやソニック・ユースにも救われました。それに何だかんだで今年も私はザ・ヴァインズばかり聴いていました(笑)。また、曲単位では名曲がたくさん生まれた1年だったと思います。中でも、七尾旅人×やけのはら「Rollin’ Rollin’」とまつきあゆむ「時代の壁を飛び越えよう」が’09年に同時に生まれたのは偶然ではないのではないでしょうか。なんだかずっと宙ぶらりんで手さぐり状態な10年でしたが、ようやくこのゼロ年代を生きたなって思えたのはこの2曲と出会えたから。迎える10年代が今は楽しみでしょうがないです。


 
山田美央
PILLS EMPIRE『Mirrored Flag』
PILLS EMPIRE
『Mirrored Flag』

昨今、異様なまでの盛り上がりを見せているアンダーグラウンド・シーン。多くのアーティストたちが黒い音の中に洗練された鋭利さや暴力性を含ませている中で、ピルズはアングラな音の中に微妙な隙をついてポップさを引きずり出している。確実にリスナーの間口をこじ開けたと思う。そう、広げたなんて生易しいものじゃないのだ。

Jet『Shaka Rock』
Jet
『Shaka Rock』

どんな音楽でも基本的に“初期の音の方が良かった”と思ってしまう初期病の私。そんな私が(おそらく)初めて1st、2ndを超えてカッコイイと思ったアルバム。M-1「K.I.A.(Killed In Action)」から尋常じゃない量のアドレナリンが出ました。

Van She『Ze Vemixues : Collector's Album』
Van She
『Ze Vemixues : Collector's Album』

ちょっとぶっ飛んだアートワークにデラックス版という響き。『V』からライヴまでのいいとこどりの音を再構成した上に新しい要素もプラスしているなんて、なんとも涎物だ。おそろしくクールで、だけどどこか甘さも感じさせる彼らに踊らされていることは百も承知。自ら嬉々として“踊らされ”に行ってしまうのは哀しくも(?)性なのです。

波乱万丈MAXな状態で幕を明けた’09年。気付けば年明けを上回るような激動の最中、一年が終わろうとしています。好きな音楽も、日の目を浴びているようなものからより一層地中に潜っていったというか。相変わらずの散財っぷりは健在で、12月に限らず毎月のように25日が待ち遠しくてなりません。来年は“何とかなるよね”精神を反省しつつ、後悔はしないというポジティヴさを身につけて“今までで一番”な年にする!


 
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