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今年で4年目を迎える年末恒例の国内最大級“エレクトロニクス・ミュージック・フェスティバル!!”
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■エレクトラグライド2003レポート!
情景1
photo by KOTARO
前年比1.5倍、いや、目測で2倍というところだろうか。
今年は場所を移し、9〜11番ホールで行なわれたエレクトラグライド2003。'00年にスタートして以来、初めて日本人アーティストの参加がなかったのが寂しい限りなのだが、とにかく前年の比にならないほど大勢の人が詰めかけ、入り口付近のロビーが大混雑であった。いつもの感覚で訪れた人々は面喰らったかもしれない。去年のように肌寒いのを覚悟してきたのに、今年は違う。暑い。Tシャツやキャミソールで充分な温度。しかしロッカーはすぐに満杯、クロークも大渋滞で預けられず、大荷物を持って移動する姿も多く見られた。
Luke Vibert
Luke Vibert
photo by Teppei
まだ人の少ないフロアに静かに音を鳴らしたのが、ルーク・ヴァイバート。今回はライヴではなくDJ、しかもラップトップ・スタイルでのプレイ。最初からガツンと飛ばすことはせず、アブストラクトやヒップホップ寄りでローテンポな曲を展開し、客を少しづつあたためていくという、落ち着いたプロの腕前が感じられた。両手に酒瓶、口には煙草を絶え間なくくわえ、派手なパフォーマンスをすることもなくパソコンの画面をじっと見つめ続ける彼だったが、人がフロアに集まりはじめ、自身の最新作『YosepH』からの楽曲「I Love Acid」をかけた辺りから、ピッチが上がりはじめ、KLFやエイフェックス・ツインなどのオールドスクールなアシッド系ナンバーを連発しフロアを盛り上げた。ラップトップという地味に見られがちなスタイルも、その選曲センスやターンテーブルではできない、様々なサンプリングを駆使し、大満足のセットを披露してくれた。ちなみに、'04年1月には早くも次の新作『Kerrier District』をリフレックスからリリースする。
Colder
Colder
photo by KOTARO
今回の面子で唯一異色だったのがこのColder。コム・デ・ギャルソンなどのアート・ディレクターを務めるパリのクリエイター、マーク・ニュイエン・タンによるソロ・プロジェクトだが、ライヴの方はギター、ベース、ドラム、シンセサイザー、ヴォーカルというバンド編成で行なわれた。服飾業界とつながりがあるだけに、ファッション・ショーのBGMに使えそうな雰囲気のディープなロックだったので、踊りに来た人々はやや戸惑いも隠せない様子であったのだが、後半にかけてエレクトロ・パンクなナンバーが続くと、徐々にフロアが盛り上がってくる。何より印象的だったのは1曲ごとに「アリガトウゴザイマシタ!」と日本語での丁寧な挨拶が入るということ。メンバーの1人に、1時間後、赤ちゃんが誕生予定とのうれしいニュースを残し、ライヴは終了。デビュー・アルバム『AGAIN』は部屋聴き系だったが、エレグラという舞台ゆえ、若干の違和感は否めなかったものの、ライヴではアグレッシヴな面も結構垣間見られた。今度は是非ロック・フェスでもお目にかかりたいと思う。
FUTURESHOCK
FUTURESHOCK
photo by Teppei
ポスト・アンダーワールドとの呼び声も高い、JBO所属の2人組。DJブースの方から音が聴こえ始めた途端、“もっと踊れる音を!”と期待の高まったオーディエンスが一気にブース前方に殺到。この時だけVJがチェンジ、フューチャーショック仕様の映像が流された。(フューチャーショックのサイト・デザインを担当する、UKのデザイン会社、Clustaによるもの。)
「ON MY MIND」のPVでは日本を強く意識した映像作品になっていたフューチャーショックだが、スクリーンには時折インベーダーゲームなどの画面が映し出され、なんだかその様子がとっても日本的な光景だと感じる。TVゲームというものがもはやジャパニーズ・アイコンなのだなと、ファミコン20周年/インベーダーゲーム誕生25周年の今年、そんなことを思う。アルバム『PHANTOM THEORY』からの曲がほとんどだったが、彼らはCDよりも生の方がかなり良い。ホールに爆音で響き渡るサウンドは、オーディエンスをハイテンションに導き、激しく踊らせた。UKプログレッシヴ・ハウス界の新旗手としての彼らに今後も注目したい。
Darren Price
Darren Price
photo by KOTARO
公式サポートDJとしてアンダーワールド・ファンにはすっかりお馴染み、ダレン・プライス。昨年の10月に幕張で観て以来、非常に気になっていたDJである。お腹に響いてくる4つ打ちで始まったプレイはカタめでハードなミニマル。アゲアゲなのもいいが、このストイックさもまた良い。見事なくらいに淡々とした卓さばきから繰り出されるリズムに乗せられ、程よく気持ち良くなり、もうちょっと聴きたい!というところでステージに現れたのはアンダーワールドの2人。この“腹八分目感”も彼の持ち味なのか。抱擁を交わし、30分ほどのプレイで静かにバトンタッチ。
UNDERWORLD
UNDERWORLD
photo by Teppei
1年ぶりにこの幕張メッセ9番ホールのステージに立ったアンダーワールド。ピースサインをかかげるカールに、ぎっしり詰まった会場からは拍手と歓声が巻き起こる。
ステージを円形にぐるりと囲んだ複数のスクリーンには、ステージ上の様子が暗視カメラのような画質の、単色カラーの映像が映し出される。この色は曲ごとに変わっていき、赤や青、サーモグラフィのような虹色に変化した。
さながら“アンソロジー・ツアー”なセット・リスト。BPM速めな「Rez」が始まるとギュウギュウ詰めで身動きが取れなくなりながらもビートに体を預ける。広い会場に音が反響し、場所によっては聴きづらくもあったが、おそらく初披露となるBORN SLIPPY NUXX〜2003の流れには、来るぞ、来るぞと解っていても、感動! アンダーワールド屋内ライヴ終盤お決まりの、ド派手なライティングにストロボ演出も相変わらずワクワクさせてくれる。
予定時間を過ぎていたもののアンコールに応え、「Jumbo」と「Moaner」をプレイ。ラストはこれでもか!というほどのテンションに持っていかれ、クラクラするほど激しく光るストロボとカラフルなライティング・エフェクトは、クライマックスに向かって昇りつめるサウンドとシンクロして鳥肌モノ。半ば発狂状態の会場は地響きするほどの歓声に包まれて、約2時間のライヴは終了した。
felix da house cat
felix da house cat
photo by KOTARO
ハウスキャットの名に相応しく(?)小柄でかわいらしい笑顔が微笑ましい、シカゴ・ハウスのベテラン、フェリックス・ダ・ハウスキャットはライヴ+DJというスタイルで登場。目玉であるアンダーワールドの次ということもあって、多くの客が休憩タイムに入ってしまう、気の毒な時間帯ではあったが、そんなことはおかまいなしといった感じの“エレクトロ・ディスコmeetsアシッド”なセットを展開。ニュー・オーダーの「Blue Monday」やデペッシュ・モードなどを織り交ぜつつ、幕張のだだっ広い空間に怪しく響くエレクトロかつミニマルなプレイは、今年のエレグラで一番踊ったという人も多いはず。
LFO
LFO
photo by KOTARO
実に制作に7年をかけた(!)新譜を出したばかりのLFOのライヴは、TOMATOの映像とシンクロさせながらリズムパターンを次々と重ね、まるで音を紡いでいくような、通好みな興味深いライヴとなった。マーク・ベルの出す音に合わせて、「King Of Snake」や「Born Slippy 2003」のPVに出てくる、あの“黒タイツおじさん”(TOMATO創設メンバーのDirk Van Dooren氏)がロボットのように動く姿は可愛らしくもあり、滑稽でもあり。深い時間だったためフロアにはダウンしている人も相当数いたのだが、この適度な人口密度のおかげで逆にライヴを楽しめた。
静かに流れるアンビエント調のものもあったが、明け方の会場に響き渡った怒濤の名曲ラッシュ! 生「LFO」に感動したファンも多かったことだろう。新譜『Sheath』からの「Freak」も非常に大バコ映えする。終盤の畳み掛けるようなダンス・トラックの連続には、切り裂くような激しいビートに酔いながら余力を振り絞り、ただただ無心に踊った。
2manydjs
2manydjs
photo by Teppei
ベルギーのバンド、ソウルワックスのメンバーによる兄弟2人組DJユニット、2manydjs。頭に被った紙袋&スーツという奇妙な出で立ちで、ジャンルを飛び越えたミーハーな選曲を次から次にかましていくというDJスタイルが、エレグラの出演が決定する前から、音楽ファンの間で密かに注目されていた彼ら。CDジャケットの無断使用や、収録楽曲のライセンスを拒否したアーティストを名指しで暴露するなど、音楽業界に爪を立てる破天荒な行動がワクワクさせる彼らだが、このエレグラでもやってくれました! 冒頭ではわざわざ作ってきた日本語のロボット声ネタ「ミナサンコンバンワ、ツーメニーディージェイズ、デス」を連発。その後、ニルヴァーナの「Lithium」やソニックユース、はたまた西城秀樹の「ヤングマン」などをごった煮にしてかけまくる。出演者の代表曲もそれぞれ織り込んでいき、フェリックス・ダ・ハウスキャットの「Silver Screen-Shower Scene」の後には、本人がニコニコ顔でブースへ登場し、それに気付いた2 manyは、逃げ腰な彼に無理やり(?)1曲スピンさせていたのも面白い場面であった。全フロアについた明るい照明と、彼らのポップな選曲で、会場はのん気なお祭り的雰囲気に変わる。機材が撤去された別ステージに人が登り初め、押すな押すなのお立ち台状態と化すなど、日本ではなかなか見られない危なっかしくもピースフルな光景が繰り広げられた。
情景2
photo by Teppei
大阪でも開催され、より参加しやすい今年のエレグラ。ハイクオリティな音響再生の水準や、自由に動き回れるように考えられたレイアウトなど、音と場を楽しむ空間としてのスペックは年を追うごとにレベルアップしている。出演者のバリエーションの豪華さについても同様だ。例年にない動員数の多さがそれを物語っているだろう。「来年もまた来よう」という言葉が帰る道すがらいろんなところから聞こえた。
取材・文/佐藤裕子・ワシノミカ(VIBE)
■Link
エレクトラグライド2003に関する情報は下記HPで!
▼Beatinkによるエレクトラグライドのオフィシャル・サイト:
http://www.beatink.com/electraglide/index.html

▼テクノからエレクトロニカまで、電子音楽専門サイト【テクノトロニカ】でも【特集着メロ】でエレグラを大特集中!!
Underworldの着信メロディはなんと28曲もご用意!(12/5現在)
エレグラ出演以外でもレアなテクノ・アーティストの着信メロディもばっちり取り揃えています。
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