まだ人の少ないフロアに静かに音を鳴らしたのが、ルーク・ヴァイバート。今回はライヴではなくDJ、しかもラップトップ・スタイルでのプレイ。最初からガツンと飛ばすことはせず、アブストラクトやヒップホップ寄りでローテンポな曲を展開し、客を少しづつあたためていくという、落ち着いたプロの腕前が感じられた。両手に酒瓶、口には煙草を絶え間なくくわえ、派手なパフォーマンスをすることもなくパソコンの画面をじっと見つめ続ける彼だったが、人がフロアに集まりはじめ、自身の最新作『YosepH』からの楽曲「I
Love Acid」をかけた辺りから、ピッチが上がりはじめ、KLFやエイフェックス・ツインなどのオールドスクールなアシッド系ナンバーを連発しフロアを盛り上げた。ラップトップという地味に見られがちなスタイルも、その選曲センスやターンテーブルではできない、様々なサンプリングを駆使し、大満足のセットを披露してくれた。ちなみに、'04年1月には早くも次の新作『Kerrier
District』をリフレックスからリリースする。
ポスト・アンダーワールドとの呼び声も高い、JBO所属の2人組。DJブースの方から音が聴こえ始めた途端、“もっと踊れる音を!”と期待の高まったオーディエンスが一気にブース前方に殺到。この時だけVJがチェンジ、フューチャーショック仕様の映像が流された。(フューチャーショックのサイト・デザインを担当する、UKのデザイン会社、Clustaによるもの。)
「ON MY MIND」のPVでは日本を強く意識した映像作品になっていたフューチャーショックだが、スクリーンには時折インベーダーゲームなどの画面が映し出され、なんだかその様子がとっても日本的な光景だと感じる。TVゲームというものがもはやジャパニーズ・アイコンなのだなと、ファミコン20周年/インベーダーゲーム誕生25周年の今年、そんなことを思う。アルバム『PHANTOM
THEORY』からの曲がほとんどだったが、彼らはCDよりも生の方がかなり良い。ホールに爆音で響き渡るサウンドは、オーディエンスをハイテンションに導き、激しく踊らせた。UKプログレッシヴ・ハウス界の新旗手としての彼らに今後も注目したい。
実に制作に7年をかけた(!)新譜を出したばかりのLFOのライヴは、TOMATOの映像とシンクロさせながらリズムパターンを次々と重ね、まるで音を紡いでいくような、通好みな興味深いライヴとなった。マーク・ベルの出す音に合わせて、「King
Of Snake」や「Born Slippy 2003」のPVに出てくる、あの“黒タイツおじさん”(TOMATO創設メンバーのDirk Van Dooren氏)がロボットのように動く姿は可愛らしくもあり、滑稽でもあり。深い時間だったためフロアにはダウンしている人も相当数いたのだが、この適度な人口密度のおかげで逆にライヴを楽しめた。
静かに流れるアンビエント調のものもあったが、明け方の会場に響き渡った怒濤の名曲ラッシュ! 生「LFO」に感動したファンも多かったことだろう。新譜『Sheath』からの「Freak」も非常に大バコ映えする。終盤の畳み掛けるようなダンス・トラックの連続には、切り裂くような激しいビートに酔いながら余力を振り絞り、ただただ無心に踊った。