一番手は、NINJA TUNEレーベルの看板アーティスト、ヘクスタティック。彼らはVJの先駆者&アニメの熱狂的ファン(特に日本アニメが好きらしい)としても知られるだけに、趣向を凝らした映像が見ものだった。スヌーピーのアニメや、ビースティー・ボーイズ、デスティニー・チャイルドのPVに手を加えたものを流していたが、もっともフロアを盛り上げたのは何と言っても、彼ら自作(?)のストーリー仕立てのアニメーションに合わせて、曲が流れるというパフォーマンス。映像に合わせてところどころでリズムが乗ってゆき、急にドンッと曲が始まるという展開は鳥肌ものだった。自身の代表曲「Auto」や最新アルバムから「Salvador」、はたまたクイーンの「We Will Rock You」などをスピン。個人的には、いきなりナンバーワン・アクトか!?と思ったほど良かったです。再来日を渇望。 |
続いてのLCDサウンドシステムは、一番手とは打って変わって、パンク/ロック色が強いバンド・サウンド。ステージをのたうち回りながらの絶叫ヴォーカルと、激しいドラミングで、一気にお祭りの幕を開けてくれたという感じ。ダンスミュージック・ファンが多い中、ついついタテ乗りになってしまった自分を発見した人も多いはず。 |
そして、昨年の出演では西城秀樹、ニルヴァーナなど、ジャンルレスのワールドワイドなポップス・ナンバーを立て続けにマッシュアップしていくスタイルが評判だった兄弟DJユニット、トゥーメニーdjs。昨年のようなポップスDJを予想していたが、今年は夜も深まる時間帯ということもあってか、昨年には観られなかったKLFなどのアシッド系テクノを多々織り交ぜたセットで客をぐいぐいと引っ張っていく。しかし、あえてBPMを落としたUSヒップホップなどで客を休ませるポイントを作っていたところはさすが。いろんな要素を含ませつつも安定した“踊れる”セットを披露してくれた。 |
お次は、メイン・アクトのプロディジー。登場時の迫力と存在感はさすがのモンスター・バンド。圧倒的。ニュー・アルバム『Always Outnumbered, Never Outgunned』からの曲を中心に「Smack My Bitch Up」「Breath」「Poison」など、過去のヒット曲もたっぷり披露した。しかし、昨今はヴォーカルをフィーチャーしたロック/ポップス寄りの楽曲が多い彼らだけに、純ダンス・ミュージックとは言い難く、戸惑ってしまう部分もあった。デビュー当初からのファンは、少々物足りなさを感じたところもあっただろう。ひたすら踊れる、'90年代の初期サウンドをやはりもう少し聴きたかったという印象だった。 |
約2年ぶりに出演したダレン・エマーソンは、「Born Slippy」からスタート。相変わらずのその潔さにも感服したが、それにも増して感心するのは、彼のフロア・ライクなセットとテクニック。相当数重ねているDJ経験からか、オーディエンスを引っ張っていくのが上手い。ちょうどトゥーメニーdjsとは対照的とも言えるような、生粋のテクノDJという印象だ。打ち込み好きなら誰もがついつい足でリズムを取ってしまうテクノの真髄を毎回観せつけてくれる。 |
ラストのティム・デラックスは、自身の曲やダレンの曲に加え、ニルヴァーナのリミックスなども交えながら、お得意のきらびやかなフィルター・ハウス、ラテン・ハウスを中心にスピン。中盤から、朋友ダレン・エマーソンもブースにやってきて、何とも楽しそうに2人でじゃれ合い(?)ながら、リラックスしたラストの時間帯を温めてくれた。 |
ちなみに、スペシャル・アクトの、デザイナーズ・リパブリックは、ロンドンの事務所からの生中継映像を、会場のチルアウト・スペースで流すという大胆な手法で参加。仕事中のPC画面や、書類の山などが日常の時間ペースで映し出される様は、オールナイトのクラブ・イベントの中、まるで違う次元のように展開していった。 |