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FUJI ROCK FESTIVAL 06


© Masanori Naruse

THE AUTOMATIC
3日目は予てよりライヴを楽しみにしていたUK4人組バンド、ジ・オートマティックでスタート。ダンス・ビートを駆使しながら、キャッチーなメロディを乗せ、絶妙なタイミングで奇声を発するという愉快なバンドだ。注目していたのはシンセ兼叫び担当のペニー。予想以上にアグレッシヴな動きにこちらも益々テンションが上がっていく。シンセの前に設置されたスタンド・マイクのほかに、サイドにもスタンド・マイクが…。シンセを弾かない時は、ロブ(vo&b)を凌ぐ目立ちっぷりで、ステージ中を駆けずり回り、ぴょんぴょん飛びはねてはノリノリで歌い叫んでいた。全曲踊れる&歌えるナンバー揃いで、息継ぐ暇もなくフロアを熱く盛り上げてくれた。「これで最後だよ。ありがとう!」と挨拶すると「え〜っ!」というオーディエンスからの声が上がり、楽しすぎる時間ほどあっという間に過ぎていくんだなと感じながら、ラストは「MONSTER」でオーディエンスの大合唱がテント内にこだました。


© Masanori Naruse

ORSON
続けてRED MARQUEEにてオルソンを観る。トレードマークの黒のハットにネクタイをビシッと締めたジェイソン(vo)、パンク・バンド風のモヒカンでちょっと強面のクリス(dr)、ファッションだけ眺めてみても個性豊かなメンバーが集まっているんだなと分かるが、ライヴではさらに個性がぶつかり合いが半端ない。バックを支えるリズム隊と、うねるギター、高音で掠れ気味の色っぽささえ感じさせるヴォーカルは、一見バラバラのように見えるし、何よりこのバンド、曲によって見せる表情が全く違うのだ。しかし、「Happiness」「The Okay Song」「Downtown」などすべてに通じることは良質のメロディということ。このメロディがすべてを一つに纏め上げ、ライヴで爆発するようなエネルギーを生み出すのだ。「Bright Idea」では、メンバーもオーディエンスも手を掲げ大盛り上がりを見せたかと思えば、ミドル・テンポのバラード「Look Around」ではジェイソンがキーボードを弾きながら歌い、ゆらゆらと揺れながら穏やかに時間が流れる。そして、ラストはもちろんあの大ヒット・ナンバー「No Tomorrow〜俺たちに明日はない〜」! イントロが聞こえてきた瞬間、オーディエンスは大興奮でぴょんぴょんジャンプしながら踊りまくる! 決定的にキャッチーなサビで最高潮を迎えた。


© Masanori Naruse

The Raconteurs
この4人としては初来日パフォーマンスということで、ファンの期待も高かったザ・ラカンターズ。定刻よりだいぶ遅れて4人が登場すると、気の知れた仲の良い友達が集まったというだけあってステージ上は和やかムードに。しかし、演奏が始まった瞬間、迫り来る緊張感とともにするどいサウンドがGREEN STAGEに鳴り響いた。ホワイト・ストライプスではないとは言え、やはり、ジャック・ホワイトはこのバンドでも圧倒的な存在感を放っている。時折、スクリーンに映し出されるジャックの鬼気迫る表情は少し怖いくらいだった。それにしても、夕暮れ時に聴くラカンターズはこんなにも渋いものかと実感。特に「Steady, As She Goes」では、会場中は大盛り上がり! しかし、ノリノリになるというよりかは胸にグっと焼き付けるという感じでじっと見つめている人も多かったようだ。ブルース色の強いナンバーを激しいギター・リフでもってぐいぐい引っ張っていくジャック・ホワイト。そして、ブレンダン・ベンソンとの絶妙なヴォーカルの掛け合いも絶品だ。あともう少し聴きたいというところで、あっという間にラストの「Broken Boy Soldiers」へ。業という業を4人それぞれが合わせ持っていて、それをぶつけ合いながらどんどん大きくなった一つの塊をオーディエンスに投げかけるという4人の相乗効果が素晴らしいライヴだった。


© Masanori Naruse

The Strokes
いよいよ最終日の大トリ、ザ・ストロークスの登場だ。メンバーが揃うと間髪入れずに「Jukebox」でスタート! ステージに立っているというだけで様になるというか、もう、うっとりしてしまうほどのオーラを解き放っている黒の革ジャンに身を包んだジュリアン。オーディエンスを捻じ伏せるようなロックのグルーヴに、あのしゃがれた声が乗っかれば、もうそこはストロークスの世界でしかない。この日は上機嫌だったのか、始まってまだそんなに経っていない時から、ジュリアンは観客の方へ降りていき柵に足をかけて登っては、観客に埋もれてもみくちゃにされながら歌い叫んでいた。これにはオーディエンス(特に女性)の興奮も尋常ではない。ジュリアンが手にしていたマイクは、悲鳴にも似たファンの叫び声を拾ってしまうほどだった。新作はもちろん、1st、2ndからの楽曲もバランス良く演奏。「Hard To Explain」が始まると、ジュリアンは再びステージを降りて、モッシュピットに入り込んでいく。しばらく、ジュリアン不在(声だけは聞こえてくる)のステージを眺めていると、ニックとアルバートの複雑に絡み合うギター・サウンドに、アグレッシヴなニコライのベース、そして、何より男前ファブが叩くドラムはずっしりとお腹に響いてきて、最高のロックンロールを奏でる4人の姿がこれまで以上に大きく、そして恰好良くまさに貫禄のあるロック・スターと言える風貌なのだ。再びステージにジュリアンが戻り5人が揃うとストロークスの威力を改めて知らされるのだ。アンコール・ラストは「Take It Or Leave It」で締めくくられ、胸の前で手を合わせ「オヤスミナサイ」という言葉を残しステージを去った。


© Masanori Naruse

MOGWAI
GREEN STAGEのスペシャル・ゲスト、ハッピー・マンデーズを数曲観た後、モグワイでフジロック06のラストを締めくくろうとWHITE STAGEへ向かう。ところ天国に近づくにつれ、モグワイの轟音サウンドが聴こえてきたので歩みを速めて「着いたー!」と思った瞬間、そこには幻想的な風景が広がっていた。ゆらゆらと揺れる浮遊感と、怒涛の音圧に吹き飛ばされそうな感覚が交差して、もう何がなんだか分からない状態。メンバーはみんなアディダスの緑のジャージを着ていて、派手な動きは一切せずにクール。それなのに、出す音といったら破壊力のあるギター・ノイズに、うずまくディストーション。ラストの方しか観ることができなかったが、いつまでも音が記憶に残りそうな迫力だった。アンコールでは、スーパー・ファーリー・アニマルズのグリフ(vo)が一緒に現れ、「Dial: Revenge」を演奏。グリフの温かな声とモグワイの美しいサウンドが相まり、号泣寸前の切なさを生み出していた。

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