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今年も残すところ1ヵ月余り。昨年は、全国34都市45公演にもわたる『YES MY JOY』ツアーで充実の1年でしたが、今年は? |
中島美嘉: |
去年とは逆の意味で充実してました。というのは、今年の目標は、自分磨きだったから。自分のためにどれだけ時間を使えるかそれを実行できた1年でしたね。いちばん大きかったのは、ニューヨークに住み始めたこと。ニューヨークと東京、2つの場所での生活が自分の性に合ったみたい。二重生活とかって、普通は不安定かもしれないけど、私のバランス感覚にはすごく合ってます。 |
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なぜ、ニューヨーク? たとえばロンドンのほうが似合う印象もありますが…。 |
中島: |
ロンドンは大好きです。でも、好き過ぎるから、帰ってこないかもしれないと(笑)。だったら、好きでも嫌いでもないニューヨークのほうが落ち着けそうだから。それに前からレコーディングでも行ってたので、まったく見ず知らずの場所でもなかったし。今回のアルバム『VOICE』も7曲は、あっちで歌を録ってます。たとえば「FOCUS」とか。スケジュールの都合で、何日も連続で歌っていたから、今日あたりそろそろ声が枯れるかなと思ってたのに、あの歌は自分でも驚くくらい超いい声がレコーディングできました。 |
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まさにアルバム・タイトル『VOICE』どおりの1曲。はかなさ、せつなさ、あたたかさ、強さなど、いろいろな美嘉声が詰まっているアルバムですね。 |
中島: |
どういう表現をするかとか、どういう声で歌うかとかは、デビューから直感だけを頼りにやってきました。計算とか技術ではない部分が今でも大きいんですよ。それでも、自分だけかもしれないけど、奇跡的な声が出た、と思う瞬間もあります。歌のなかに完全に入ってしまって泣きながら歌えたり。今回のアルバムに入っている「あなたがいるから」みたいに、レコーディング前から、必ずうまくいくって予感がする曲もあります。 |
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アコギと声だけの「MY GENTLEMAN」。声がなお際立っていますね。 |
中島: |
サウンドやアレンジについては、シンプルなオケや生楽器の音は好みです。アルバムのラストに入ってる「声」も、ストリングスとピアノと歌だけ。MICA 3 CHU(森三中とのコラボ・バンド)の「I DON'T KNOW」と「SHUT UP」も、シンプルだしストレートですね。 |
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今、名前の挙がった「声」。まさにVOICE。今回のアルバムの肝となる1曲ですか? |
中島: |
そうです。もう1曲が「TRUST YOUR VOICE」。レコーディングの途中までは、この曲名がそのままアルバム・タイトルになるくらいの勢いでした。だから、今回のアルバムのテーマ曲みたいな存在。でも、今まで私のアルバムは、『TRUE』『LOVE』『MUSIC』『YES』と、ワンワードのタイトルで出してきたので、それにこだわりました。で、曲名からVOICEだけ残したんです。ちょうどヴォイス・トレーニングもまた始めたことだし。 |
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ボイトレ効果も、ニュー・アルバムには出てますか? |
中島: |
出てますって言い切りたいところだけど。レコーディングの時点では、またやり始めて1年も経ってなかったので、成果を自覚するところまで行ってないかな。ただ、それをやっていることで得られる安心感はありました。もしかしたら、その安心感が声に現われてるかもしれない。喉の構造を教えてもらったり、メンタル・ケア的な話をしてもってます。本当に今までは、直感と精神力で歌ってきたから、ボイトレが新鮮です。バラードの「ORION」を、今までのバラード的な声じゃなくて、強めのハッキリした声で歌えたのも、もしかしたらボイトレの影響かもしれない。 |
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なぜ、今ボイトレなのですか? |
中島: |
これは謙虚とかってことじゃなくて、ずっと新人気分でやってたんですよ、デビューから。わかったふりする自分は嫌いだから、わからないのがあたりまえだみたいなところも含めて。でも、デビュー7年目にもなると、イベントとかに出演したら、年齢的にもキャリア的にも、ベテラン扱いされることが多くなってきて。そこで新人気分が甘えに思えてきたんです。"ここは任せなさい"って言えるくらいにならなきゃと。だったら、やるなら今しかないと思って。もともと発声への自信のなさもあったから、そのコンプレックスも解消できたらとも思いました。自分の駄目な点とか、コンプレックスを自覚することが自分磨きにつながるし。自覚すると、努力と時間を使うから。それは必ず自分に返ってくるんじゃないですか。 |
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声を支える、あるいは包む、バック・トラックの素晴らしさも中島美嘉楽曲の特徴ですね。たとえば「永遠の詩」。ジャマイカのスティーブン・マクレガーによるトラックは、まさにリアル・レゲエ。 |
中島: |
でも、私が歌うと、いい意味でポップスになりますね。それはやっぱりこの声のせいだし、歌い方のせいです。だから、オケは徹底してるほうが好きみたい。「I DON'T KNOW」なら徹底してロックを意識したし、「永遠の詩」のレゲエ、アルバムに入っている「SAKURA〜花霞〜(DAISHI DANCE)」はハウス・ミュージックとして聴けます。シンプルなら徹底してシンプルとか。そこに自分の声が乗り、歌になる、そのギリギリのバランス感覚が好きなんでしょうね。「conFusiOn」も、友達の彼氏を好きになるって危ない歌詞を、明るく歌ってるし。ある意味、ギリギリでしょ(笑)。MICA 3 CHUのミュージック・ビデオは、コミカルとパワフルのギリギリのライン。やり過ぎ、やらなさ過ぎは好きじゃないんですよ。 |
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そのギリギリ感は、音楽以外にも言えますか? |
中島: |
考えたことないけど…。ギリギリの匂いがする人に憧れてるのかな…。強い個性を持ってる女性が好きだから。自分の生き方を持っている方というか。それは常識と個性だったり、頑固と自己主張だったり、流行と自分のバランスがギリギリで取れてるってことかもしれない。たとえば黒柳徹子さんや夏木マリさんとか。最近憧れるのは、池波志乃さん。超カッコいい。テレビに池波さんが出てると、もう釘づけですよ。同じ女性として憧れますね。今いちばんお会いしたい方です。 |
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ニューヨークもギリギリなところありますよね。 |
中島: |
あるある。ミート・パッキング・エリアとか。大好きな場所です。最近、栄えてきたエリアだから、建物とか最先端なものが集まってるのに、ちょっと外れると道路がボコボコ(笑)。セレブなお姉さんたちがパーティーやってると思ったら、そこから5分も歩くと夜は殺伐としてたり。かなりギリギリ。 |
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ちなみにニューヨークで暮らしてわかった日本の良さもありましたか? |
中島: |
山ほどありました。たとえば応援してくれる人達のあたたかさ。私のことなんか誰も知らないニューヨークで暮らすと、そのありがたさを改めて感じます。その気持ちが曇らないよう、自分を磨いておかなくちゃいけないなと思うし、日本にいると、ニューヨークでの気儘な生活のありがたさがわかるし。できれば、これからは日本とニューヨークの生活が半々になるのが理想ですね。 |
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