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この日のオープニングを飾ったのは、MR.ORANGE。10年前にジャパニーズ・メロディック・パンクを耳にしていた人間ならばその名を知らない人間はそう多くないのではないか。当時のその若さも含め、鮮烈な存在感を放っていた。’02年に解散以後、復活ライヴとなったこの日も今年1月にリリースされたベスト・アルバムからの曲が当然ながら披露され、青春時代を思い起こさせてもらった。 |

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この日、序盤〜中盤で最もファンが待ち望み、その通りの盛り上がりを見せたのは、フロッギング・モリー。'05年の“Camp in 朝霧JAM”、'06年の “FUJI ROCK FESTIVAL”など、すでに日本の大型野外フェスティバルでその名を知らしめてきた彼ら。昨年のドロップキック・マーフィーズに続くアイリッシュ・パンク勢として、満を持してのパンスプ参戦と言える。アコースティック・ギターにバイオリンにアコーディオン…スタイルこそこの日登場したバンドの中では異色の存在であるものの、だからこそ広い層で愛され、楽しめて、踊れる。この日一番の“お祭りサウンド”が鳴り渡ると「Drunken Lullabies」「The Seven Deadly Sins」といった代表曲で、会場は正に狂喜乱舞の40分へ。開演前からのファンの待ち焦がれを思うにつけ、この日のベスト・アクトに彼らの名前を挙げる人が多いのは決して偶然の産物ではないのだろう。 |
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この日のライヴも終盤に差し掛かったところで登場したのは、2年連続出場となる“日本代表”マキシマム ザ ホルモン。昨年のメイン・ステージの(オープニング・アクトを除いた)トップ・バッターから、大御所たちの前に登場となったのは躍進といっても差し支えはないのだろうが、この1年の彼らの働きぶりを考えればおかしな話ではないか。序盤から「包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ」「絶望ビリー」と飛ばしまくり、中には彼らのライヴでこの日の体力を使い切ってしまったファンも少なくなかったのかもしれない。この日、15時から登場したボウリング・フォー・スープを引き合いに出し、「自分たちが太ってるといっても、所詮それは日本基準」と言って笑わせたりする場面もあれば、ラストは「恋のメガラバ」で堂々たるライヴを締め括った。 |

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すっかり外も夜にとなった頃、メイン・ステージとは別エリアとなるGREEN STAGEに登場したのは、シャーウッド。“パンク”というよりは、昨年登場したジミー・イート・ワールドにも通ずる、いわゆる“USインディー・エモ”であるが、いかつくなく優しい泣きのメロディーと、キーボードの音色が鳴るポップなサウンドに一日の疲れも癒される。ダンス・チックな「The Best In Me」も披露され、この日の後はPOLYSICSとも対バンしたように、彼らはきっともっと幅広い層に愛されるバンドになるに違いない、と予感させられた。その新星・シャーウッドのライヴの裏では、続々と大御所が登場! 昨年の大トリを飾ったノーエフエックスのファット・マイク率いるカヴァー・パンク・バンド、ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミ・ギミズは「OVER THE RAINBOW」「ALL MY LOVING」といった有名曲も当然のごとくがっつりをぶちかまし、肩に力の入らないスタンスで楽しむ姿は思わずにこやかになってしまう。 |
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そしてメイン・ステージもそれぞれのトリへ。まず登場したのはペニーワイズ。パンク・キッズにとって憧れのレーベルであろうエピタフを離れ、なんとMySpaceにて期間限定ながら無料でアルバムを配信するという試みに出た彼ら。一昨年の“ウドー・ミュージック・フェスティバル”以来の日本のフェス参戦となる。前方では大きなモッシュ・ピットが起こり、フロッギング・モリーなどのこの日出演したアーティストのメンバーもステージ上に現れるなど、とにかく楽しい。さすがペニワイ。前述の新譜からの楽曲もあれば、ラモーンズのカヴァー「Blitzkrieg Bop」もあり、この日までのファンの心配も吹き飛ばす全力パフォーマンスで期待に応えた。大トリを飾ったのはランシド。この日唯一映像とともにライヴを披露した彼らはのっけから「Fall Back Down」で、最後まで残ったファンは当然ながら大盛り上がり。オペレーション・アイヴィーの「Knowledge」では一段と大きな歓声が沸き起こった。代表曲を惜しげも無く披露したセットリストで、最後の体力も使い果たし、21時半の終演時刻を迎えた。 |



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9時間以上に及んだこの日のライヴを完走したオーディエンスはそう多くないかもしれないが、パンク・ファンにはたまらないバンドが集結するこのイベントへは早くも来年への期待が注がれるのだろう。個人的には“春の野外パンク・フェス”といった形式にも期待を持ちたいと思った、春の夜長であった。 レポート・文 / 伊藤 昌利 (C)PUNKSPRING 08 All copyrights reserved |