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SUMMER SONIC '07

RYUKYUDISKO
サマソニ2日目、トップ・バッターは何を見ようか悩んだ末にDance Stageに。そう、この夏についにメジャー・デビューを遂げた、レペゼン沖縄の双子テクノ・ユニット、RYUKYUDISKOのお目見えだ。まだ午前中という11時からのステージにも関わらず、会場は入場規制がかかるんじゃないかと思うほどの満員御礼にまず驚かされる。そして場内のテンションの高さにさらに。いつものごとく沖縄の民族衣装を身にまとったRYUKYUDISKOの2人は、ビートを刻みながら、時に沖縄太鼓を叩いたり、自ら跳ねて盛り上げたり。メジャー進出と共に発表していったシングル3枚連続リリースの第3弾「夢のFUTURE」ではKOTOMIがステージに登場し、そのテンションはあがりに上がりまくっているところに、ゲストはないものの「Nice Day」や「ナサキ」がどんどんつぎ込まれていく。フェスならではの、いい意味でなんともド真ん中なステージングで、朝からこんなテンションあり!? っと思わせてくれるほどに躍らせてくれたライヴだった。

Mstrkrft
前日出演のCSSの楽曲にも登場するデス・フロム・アバヴ 1979のジェシー・F・キラーが、そのプロデューサーだったAL-Pと組んだユニット、マスタークラフト。狙ったかのようなチープな音を響かせる独特のエレクトロ・サウンドを聴かせることで、エレクトロ・ポップ/テクノ・ポップ・シーンで高い評価を得ている彼らだけに、耳の肥えた、クラブ・ミュージックをこよなく愛する多くの者が集っていたように思われた。真っ昼間からなんともシンプルなDJスタイルでの、2人の息の合った、終始アゲアゲなそのプレイは、まさに“ココ”ってところで止め、ためて、そしてアゲてくれる。ラストのダフトパンクの「Music Sounds Better With You」からジャスティスの「D.A.N.C.E.」の流れでは、グググっとテンションが上がりきったところで、さくっとパフォーマンス終了。幸せの絶頂でポンっと放り出された戸惑いがありつつも、その高揚感は最高に後味よく、まさに幸せな瞬間として脳内にインプットされるのであろう。

Bloc Party
サマーソニック2度目の出演となるブロック・パーティー。ユ07年3月にも単独来日公演を行なっていたので新鮮感といったものはそれほどなかったが、違った意味での新鮮感を存分に披露した素晴らしいパフォーマンスだった。その新鮮感とは? ずばりその核心は、今ままでで最高と言っても過言ではないほどに高性能化したパフォーマンスそのものの新鮮感である。至極まっとうであり、ファンにとって一番嬉しい新鮮感であったわけだ。「Positive Tension」「Hunting For Watches」「Banquet」「I Still Remember」「The Prayer」「Helicopter」など全10曲。選曲自体通常と変わることはないが、この日のブロック・パーティーはそれらの曲を道具として使い観客と繋がろうという意思が燦然と輝いていた。彼らの本質はDVD作品『A WEEKEND IN THE CITY』で見せた対自己にあると筆者は思うが、それを踏まえた上でこの日の彼らは対他者に意識を向けていた。これが何を意味するかと言えば、会場の一体感を醸造すること、だ。いつにないくらいに会場は盛り上がり、それに対してステージの4人が前のめりになって応えていった。そしてそれは彼らのライヴに欠けていたワンピースでもあったのだ。今後のブロック・パーティーを期待せずにはいられない素晴らしいライヴだった。

Cyndi Lauper
この日、彼女をお目当てにサマソニに参加した人もいたのではないのだろうか。ついにSonic Stageに大物シンディー・ローパーが現れる瞬間が訪れた。開演時間より全然早めに到着したというのにあっという間にスタッフから立つように指示される。それだけものすごい勢いで人が詰めかけてきているのだ。そのあまりの人にこの2日間のサマソニで唯一、ほぼステージが見えなかった程。とにかくその年齢からは考えられないほど、かわいらしく、そしえパワフルなシンディーの歌声、そして存在感。もうそれだけで、姿なんてほぼ見えなくっても感動できてしまう。もちろん往年の名曲「True Colors」や「Time After Time」などが披露されたのだが、さすが世代を超えて語り継がれている楽曲だけあり、イントロだけで会場がどよめき、シンディーが指示しなくともサビでは大合唱が起きる。間奏だと皆わかっているのに、その興奮のあまり拍手が起きてしまう。これが彼女のような特別な存在、カリスマのなせる技なのだろう。最後はこれまた嬉しすぎるサービスでステージ上にたくさんの女性が駆け付け、「Girls Just Want To Have Fun」でシンディーはなんとも楽しそうにステージを後にしていった。新しい才能と共にこういった語り継がれる才能を堪能できる、フェスならではの巡りあわせに、多くの人々が感謝した瞬間だろう。

Manic Street Preachers
サマーソニック'07東京会場2日目‘UK祭り’の大ボス、マニック・ストリート・プリーチャーズ。後ろにカサビアン、アークティック・モンキーズがスタンバイしていようがそのことに変わりはない。この日参加した人はそのことを充分承知していたのだろう、マニックスの時間前になると続々と人が会場に押し寄せてきた。ステージ上方(スクリーン配置が昨年の左右より変更)に「Manic Street Preachers」の文字が映し出されると会場全体が歓声に包まれたが、メンバーがステージに登場すると更なる歓声が。その理由は明らかで、ニッキーがなんと極ミニ・スカートで登場! 周りから「何あれ女?」という声が聞こえたが「いやいや、男です。」と思いつつも、この日のニッキーの‘過激’な衣装は今まで筆者が観た中でも一番‘らしい’ものだった。1曲目「You Love Us」から当然のように大合唱が起こるあたりから予感はできたが、この日まさにベストな選曲が会場を踊った。「Everything Must Go」「Ocean Spray」「Motorcycle Emptiness」「Motown Junk」はもちろん「A Design For Life」など全14曲。多くの曲で大合唱が起こる、という事実は、彼らの曲が魅力的であること、そして何より彼ら自身が魅力的であり愛されていることによる。この日のマニックスもやはり愛されていた。




Kasabianの着うたはこちら!
Kasabian
もはやサマーソニックの常連といってもいいカサビアン。変則4年連続の登場だ。(昨年はアルバム試聴ブース「カサビアンドーム」で出演はなし)実質前回のユ05年はオアシスという兄貴分とともにの出演で自然と弟分的な雰囲気だったが、今年のカサビアンのそれはまったく変わっていた。全くの別バンドに変わっていた、と言っても過言ではないまでに。貫禄なんていう重くさい言葉を通り越した、颯爽としたカリスマティックな姿がそこにはあった。演奏、曲の間の取り方をはじめステージ上の所作にいたるまで全てに対して文字通り身体中でゾクゾクする体験。そんな体験はそうはないが、この日のカサビアンのステージにはそれがあった。その最大の理由は曲の駒が揃ったことにある。カサビアンといえば「CLUB FOOT」「L.S.F」という究極のキラー・チューンがあるが、以前のライヴではそれを充分に使えていなかった。その理由の主はそれら2曲の前段階を創る曲の不足にあったからだと思う。それが傑作2ndアルバムで解消された。具体的にはこの日も演奏された「EMPIRE」「SHOOT RUNNER」「Last Trip」などの曲群。固体としての強さはもちろん、ライヴの流れの中で重要なパーツになれる曲の獲得は大きい。それに伴ないCD音源とは違ったライヴならではの間の取り方、観客の煽り方などライヴ・パフォーマンスの質も向上していた。ここまで真っ当に成長するバンドはなかなかいない。その貴重な現場に遭遇できたことに何よりの幸せを感じる。



Pet Shop Boysの着うたはこちら!
Pet Shop Boys
80年代から活躍するUKを代表するエレクトロ・デュオ、ペット・ショップ・ボーイズがSonic Stageのトリとして登場。ステージには巨大なスクリーンが設置されており、そのまわりをネオンが枠のように囲んでいる。ヴォーカルのニール・テナントが登場するや否や“エレクトロニカル・エンターテイメント・ショー”と叫んだように、そのスクリーンがセットの一部となりいろんな視覚効果を与えつつも、目の前で繰り広げられている歌やダンスと合わさって作品として成立しており、まるで舞台を見ているような感覚に陥る。チープさと懐かしさを併せ持つ、彼らならではのオリジナルな空気感だ。また、シルクハットまで身につけたサーカスの団長のようなニールと、相反してキャップに蛍光黄色のジャンパーを着ているクリス・ロウ、この2人の対照的な存在感もなんとも独特であり、ペット・ショップ・ボーイズ以外のなにものでもないのだ。ライヴは、最新アルバム『Fundamental』からの楽曲「Minimal」から「Suburbia」や「Se A Vida E (That's The Way Life Is)」まで、まさにベスト的な選曲。ついにはあの名曲「West End Girls」まで飛び出し、その懐かしさにテンションは上がっていく一方で、あっという間にエンディング迎えていた。そしてそのラスト、やはりこの2日間のサマソニを、そしてペット・ショップ・ボーイズのステージを締めくくれるのは「Go West」しかない! 会場が一体となり、振り付きでの大熱唱。何十年も第一線で活躍し続けるベテラン勢の凄さを再認識できる素晴らしい一夜となった。
 

文・浅野ミレイヤ麗 / 成瀬雅俊
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