| 美しい日本語詞と印象的なメロディー、どこか朴訥としながらも力強いヴォーカルが印象的なフジファブリック。11/10にリリースされたばかりの1stアルバム『フジファブリック』を引っ提げてのワンマンもソールド・アウトと波に乗る彼らに直撃インタビュー! また、プロデューサーの片寄明人(Great 3)からのメッセージも掲載! |
| |
――1stアルバムですが、マスタリングでイギリスまで行ったそうですね。 |
| 志村正彦(vo,g): |
今まで日本でマスタリングをやってくれていた人がいたのですが、イギリスにもいい人がいるらしいと小耳にはさみまして、やってみようと興味本位で。アメリカと違ってイギリスはそこまでド派手じゃないみたいで、フジファブリックの音を大切にしてくれたマスタリングでしたね。ただ、今回は僕だけ行ったので、次回からはメンバー全員で。ね。 |
| 加藤慎一(b): |
お願いします。メンバー全員行きたかったんですよ。だからちょっと落ち込み気味です(笑)。 |
| |
――インディーズ時代の名曲「追ってけ追ってけ」が入っていてビックリしました。 |
| 志村: |
最初は入れようとは思っていなかったんです。でも、アルバム候補の新曲が出来てくるにつれて、入れたらさらにアルバムの世界が凄いことになるんじゃないかと思えてきたんです。インディーズの頃はセルフで録って、今回片寄さんにプロデュースをしてもらったらすごいことになるんじゃないかな、と。それも興味本位で。みんなに相談したら、「じゃ、やってみようか」と。実際にやってみたら本当に凄い仕上がりで面白かったですよ。 |
| |
――先ほどから「興味本位」という発言が目立ちますが、好奇心の塊みたいなアルバムなんですか? |
| 志村: |
始まりは何でもそうですね。ちょっとでも興味や可能性があるのならやってみるというか。アレンジでもちょっとムダかな、というのでも試してみたり。ちゃんとメンバーや片寄さんと話し合いながらですけどね。 |
| 加藤: |
とりあえず、やってみないとって感じです。 |
| |
――美しい日本語詞を書かれてますが、日本独特の雅さとフジファブリックは合いますよね。 |
| 志村: |
実はあんまり意識していないんですよ。だけど、四季のある日本に育ったから、季節ごとに感じるものがあるんです。それが自然に曲になっていくんですよね。で、日本で生まれたからには日本語詞で情緒あふれる曲をやりたいと思いますね。狙ってるわけじゃないんですけど。それに、英語詞への憧れはあるんですよ。実は将来やってみたいことの一つに入っていますし。でも、今は英語で唄うことが自分の中でちゃんとリアルなものに感じられないというか、自分を出せないと思うんです。だから日本語のものがほとんどです。 |
| |
――歌詞を書く時のこだわりとかあるんですか? |
| 志村: |
歌詞で憧れるのは、すごく短い、必要最低限の言葉でイマジネーションできる世界観を作れるっていうのが一番カッコイイなと思います。曲ってある程度歌詞をブワーっと書いて提示すれば景色が浮かぶじゃないですか。でも、ある程度きっかけ的なワードだけ並べて、歌のないところでもイメージを膨らませられたらすごいな、と。今回それがなんとなくできた感じがして嬉しかったです。 |
| |
――本作を引っ提げて、初のワンマンがありますが、東京はソールド・アウトですよね。 |
| 志村: |
ありがとうございます。 |
| |
――取り巻く環境が変わったな、とかは? |
| 加藤: |
特に実感はないですね。ある? |
| 志村: |
ないっちゃない。 |
| 加藤: |
あるっちゃあるんだ(笑)。 |
| 志村: |
ミュージシャンをやっていることに変わりはないですから。自分が頑張れば頑張った分だけ、良いと思った曲を作ったら作った分だけ反応があるところに来れたというのが嬉しい反面、怖いですね。下手な姿を見せたらやっぱり恥ずかしいじゃないですか。売れない怖さとかもありますけど、単にその、自分が考えた曲が伝わらないというか、曲ってある意味論文的なものだと思ってるんです。自分の考えだったり自分が良いと思ってるものをやるわけじゃないですか。それが伝わらないというのは悔しいですね。色んな不安はありますけど、ま、頑張ろうと。 |
| |
――ライヴと言えば、奥田民生さんの広島球場ライヴの後夜祭に出られてましたよね。 |
| 加藤: |
相当嬉しかったよね。 |
| 志村: |
そうですね。民生さんはすごく憧れている存在で。嬉しいとしか言いようがなかったです。信じられないとか、出られて畏れ多いとか、色々思いましたけど。あと、民生さんは本編で「桜の季節」を弾き語りでカヴァーしてくれたんですよ。だからお返しとして「ヒゲとボイン」を唄いました(笑)。以前オープニング・アクトとして出演したことはあったのですが、その時とは違いましたね。オープニング・アクトは民生さんの胸を借りて「頑張ります」って感じだったんですけど、後夜祭は民生さんのためにみんなで祝うって感じで、別な嬉しさが。ま、将来的には五分五分で対バンをやりたいと思っているんですけど、今回のことでその決意が固まりましたね。 |
| |
――年末は“COUNTDOWN JAPAN 04/05”に出演されますが、意気込みを。 |
| 志村: |
そうですね。その日が仕事納めなんで(笑)。毎年大晦日まで3日で5本とかライヴをやっていたんですけど、今年は29日で終わりですから。気合が入っています(笑)。 |
| 加藤: |
去年のは観に行ったんだよね。 |
| 志村: |
去年観てる時にもう出たいなって思っていましたから。あのイベントに出られるのは凄いことだと思いますね。 |
| |
――プロデューサーの片寄さんはどんな方ですか? |
| 志村: |
あれだけ知識と経験があるにも関わらず、プロデューサー的な物の言い方をしないというか、本当にバンドマンとしていい音楽を一緒に作るって感じです。いつも面白い話をしてくれて。大概放送できないようなことなんですけど。凄い色んなことを勉強させてもらっています。普通に話していて本当に面白いですよ。 |
| 加藤: |
まさに兄貴っていうか。 |
| 志村: |
僕もGreat 3が大好きだったんですけど、加藤さんも大好きで。だから、片寄さんの色んな姿が見られて、嬉しい反面、驚きとショックもありつつ(笑)。 |
| 加藤: |
やっぱ、唄っている姿を見ると感動しますね。 |
| 志村: |
たまにウチラの曲を唄ったりしてくれると本当に感動するよね。 |
| |
――憧れだった片寄さんがプロデュース、と初めて聞いた時は? |
| 志村: |
嬉しかったですね。片寄さんにやってほしいなと話をしていたので。音源を聴いてもらったら片寄さん自身やりたいと言ってくれて。で、オススメの音源を貸してくれたりして、凄いフジファブリックを好きになってくれてるんだなって感じがして嬉しかったですね。その、仕事って感じでやってほしくないじゃないですか。お互い大好きなものを作るって感じの作業がしたかったので、嬉しかったですね。 |
| |
――実際一緒にやってみてプロデューサー片寄さんは如何ですか? |
| 志村: |
昔からすごいかっこよくて新しい音を作っている片寄さんにプロデュースしてもらって気付いたのは、自分たちが出す音にやっぱり自信を持っていないとダメなんだな、ということです。それでも知らないところに足を突っ込んで不安になるときがあるんですよね。普通はどうなの?って思ったりね。片寄さんと一緒にやっていると、そういう心配がなくなるんです。片寄さんがロックって言ってんなら間違いなくロックを鳴らせてんだって感じはありますね。自分たちの自信を後押ししてくれている存在です。 |
| 加藤: |
いつも支えてもらっています。 |
|
| |
――片寄さんから見たフジファブリックは? |
| 片寄: |
まずね、志村くんは本当にすごいソングライターだと思うよ。僕は手を変え品を変え色々とやっているのに、彼は3つか5つのコードでとんでもなく良い曲を作るんだよね。でも、ガンコだから(笑)。僕が「あ、いいじゃん」と思ってレコーディングをしようと言っても、自分の中で仕上がっていないとやってくれなくて。でも、その辺はある意味Great 3に似ているのかもしれない。 |
| |
――プロデュースをしようと思ったきっかけは? |
| 片寄: |
まず音源をもらったんですよ。で、「花屋の娘」を聴いてみてすぐにやりたいと思いました。その後ライヴがあったから初めて観に行ったんですけど、そしたらすごく不安に(笑)。いや、でも彼らはどんどん良くなりますよ。1stより2nd・・・と歳を経るごとに絶対に良くなります。 |
| |
――彼らに一言を。 |
| 片寄: |
もっと早く曲を書け!と(笑)。あとは、どんどん売れて僕を名プロデューサーにしてほしいです(笑)。 |
| |
インタビュー・文/林 知佳子 |