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これに行かなきゃ夏は終わらない! “祝・5周年”WIRE03をレポート
もはや“夏の終わりの風物詩”と化した感のある、日本最大の屋内レイヴ、WIRE。今年で5周年、さいたまスーパーアリーナに場所を移してから2度目の夏を迎えたWIRE03に潜入した。


▲DJ TASAKA





▲エレン・エイリアン


▲DAF





▲ポール・マック


▲KAGAMI




▲石野卓球


▲ケンイシイ




▲ジェフ・ミルズ
18:00、「ただいまより場内開場です。ロビー開場します」の声に、けやき広場の方までずーっと続く、開場を待っていた長蛇の列からは、自然と拍手がおこる。

10分押しでスタートしたメインフロアにはDJ TASAKAの姿。DJ教則ビデオの音源と思われるSEで徐々に集まってくる観客を出迎え、各ブロックがいっぱいになったところでスクラッチの音がアリーナに響き渡ると、一瞬でフロアはハイテンションに! 今日のTASAKAは楽しそうにアリーナを煽ったり、これでもか!とスクラッチを連発。JBネタの「GET ON UP!」や、ダースベーダーのテーマにStyxの「Mr.Roboto」、さらにはニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」がかかったりと、非常にバラエティに富んだプレイリストとなった。

今年のメインフロアはライティングが派手になり、アリーナの中央には、四角柱の電光スクリーンが釣り下げられ、VJは横アリ時代のポップな雰囲気が戻ってきたように思える。そして、今年はまるで「12時間耐久・宇川まつり」と化したセカンドフロア。こぢんまりとしながらも開放的な、一体感の得られるあの空間だからこそ、“いつもどっかグロい”彼の作風が活かせたのではないだろうか。ちなみに、The Orbの「フロム・ア・ディスタンス」のPVで使ったドラえもんネタも観ることができた。

そんなセカンドのトップバッターは、ベルリンからやってきた美人DJ、エレン・エイリアンが登場。 キュートなルックスに似合わぬ骨太なプレイと、ミニスカ&肩出しのセクシーな出立ちでオーディエンス(特に男子)の目を釘付けに。 ビョークの「ハイパー・バラッド」がかかると、ライティング・エフェクトと相まって、フロアは独特の幻想的な雰囲気に包まれた。

メインフロア・ライヴステージ側の四角いトラス(鉄骨のセット)がゆっくりと上昇して始まったのはドラムにサポートメンバーを従えてのライヴとなった、今年の目玉、初来日したDAFのステージ。

ヴォーカルのガビが、はだけた黒シャツ(胸毛がセクシー!)に黒いヒップハングのレザーパンツという、期待を裏切らないファッションで登場。怪我を押しての出場となったガビの腕には、派手に彩られたギブスが。時折、そのギブスの方の腕を伸ばして会場を指差すポーズを取りながら、何度も「ダンケシェーン!」と叫び、ペットボトルの水を頭からかぶったり、アリーナに撒いたりのパフォーマンスで盛り上げた。

'80年代当時の活動をリアルタイムで知らず、一体どんなライヴを観せてくれるのかと、楽しみにしていた人も多かっただろう。テクノ・クラシックスを想像して来たならば、3曲めあたりで意表をつかれたに違いない。思いっきり'80sなムードでロックなライヴ。ニューウェイヴ再評価の昨今、20年前とかわらぬハンマービートが最高にカッコいい。往年のファンには涙もの、WIRE03のコンピレーションで初めてDAFを知った人には強烈なインパクトを与えたライヴになったに違いない。

お腹が空いてきたところで、気になるのはやはりフード関係。今年はドリンクが去年より安く売られており、お財布にも優しいWIREとなっていた。ワールドカフェエリアは今年も大盛況。ちなみにRSRブースの『牛乳ソフトクリーム』。これは強烈においしかった。セカンドフロアのバーで売られていたカクテルもなかなかの味で、フロアの開放感との相乗効果で心地よく酔えた。

ジェイ・デナムの代打で急遽出演することになった、ポール・マック
元ヒップホップDJという前情報のわりには、いかつさゼロの、か弱そうな風貌。どんなDJプレイを繰り出すのかと、セカンドフロアに足を踏み入れると、攻めのハードミニマルでフロアをガンガンにあげまくっていた。
今年の敢闘賞は彼で決まりではないだろうか。直前の交渉だったにもかかわらず、二つ返事で快く来日してくれたそうだ。

通路まで人が溢れてぎゅうぎゅう詰めのアリーナに、昨年のライヴ・パフォーマンスも好評だったKAGAMIが、今年もライヴで登場。もはやアンセムともいえる「Tokyo Disco Music All Night Long」で盛り上がりは最高潮に! WIRE03ベストアクト、と言い切ってしまおう。

「はるばるおいでいただきました、石野卓球さんです」
というSEの中、ステージにはWIREのオーガナイザー、石野卓球が2年振りにDJとして登場。昨年はピアニカ演奏を披露したりと面白いライヴを展開してくれたが、「やっぱりWIREで卓球のDJが観たい!」と思っていたファンも多かったことだろう。本人も以前インタビューで「ライヴはやっぱ大変だよ。やり慣れてるし、DJのほうがいいかなぁ」と答えており、今年はのびのびDJを楽しんだのではないだろうか。海外の大規模レイヴをいくつもこなしてきた彼らしい、大箱向けの大胆でアッパーな選曲と派手なレーザーで、アリーナのテンションをMAXに持って行ったところで、壇上に現れたのはピエール瀧! 瞬間的にステージ上が“電気グルーヴ”になるという、ファンにはうれしい場面があった。

深夜になり、意外にもWIRE初出場、ケンイシイのライヴがスタート。
パーカッショニストとのセッションとなった今回は、トライバルなノリのものから「EXTRA」(なんとスクリーンには森本晃司作のあのビデオクリップがフルサイズで!)まで披露してくれた。

26時になると、恒例行事になりつつあるジェフ・ミルズのサイン会がAXISブースで行なわれた。事前告知はブースとインフォメーション・モニタのみだったにもかかわらず、ファンが殺到。あっという間に締め切られていた。

そのジェフ・ミルズがメインフロアのトリとしてブースに現れたのは28時過ぎ。去年はセカンドのトリということで、フロアの雰囲気にあわせ、スケールの大きな荘厳かつ泣ける選曲で攻めてくれたのだが、今年はとにかく派手! 明け方でボロボロの体にさらに鞭を打つようなアゲまくりなプレイ。相変わらずのレコード3枚使いにリズムマシン。ライヴ感覚のパフォーマンスで無意識に踊らされてしまった。アンコールに答えたジェフ・ミルズは、客電もついて明るくなったアリーナを激しく揺らし、異様なほどのハイテンションに導いていく。そして2時間強のステージが終わり、フロア中央のスクリーンに映し出された文字は

「SEE YOU NEXT YEAR」「W04」。

'90年代後半から、日本でも数々のレイヴが行なわれてきたが、始まっては消えゆく様をいくつも見た中で、これだけの大きな規模で、しかも年々動員を増やしつつあるWIREが定着してくれるのは非常にうれしい。明け方、足が痛くて歩けなくなっても、翌日筋肉痛で動けなくなるのが解っていても、きっと来年もこの雰囲気に呼ばれて来てしまうのだろう。そんなことを考えながら、早朝の京浜東北線に乗り込んだ。

取材・文/ワシノミカ(VIBE)
■Link
WIRE03に関する情報は下記HPで!
WIRE03オフィシャル・サイト:http://www.wire03.com/

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