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17日土曜日午後3時、プレイ時間70時間を超えたドラクエ7のリモコンをひとまず置く。外は、「泳げ!たいやき君」の名フレーズ「毎日毎日僕らは鉄板の上で焼かれてイヤになっちゃうな♪」なんて気だるい歌詞が脳内でリフレインしてしまうほどの夏!、夏!……暑い。どこもかしこも深緑色の木々や草が太陽の日差しを全面に浴びて、もの凄いエネルギーを放っている。しかし、“暑い”の一言でばっさり排除されてしまういつものそんな勢い余った夏の空気も、こんな日ばかりは、“これから楽しみなことがある感”をより一層助長してくれる――年に1度の大型テクノ・フェス“WIRE”に遊びに行ってきました。
▲テーマカラーのオレンジを基調に、ライティング・エフェクトでオーディエンスを盛り上げた、初日。
 
 
18時の横浜アリーナ前、コンビニで購入したビールを呑みながらワイワイと開場を待っている人々を横目に、1人トマトジュースを飲みながら待つ。連れの到着と同時に入場、フロアを見に行くと、1日目のテーマカラーであるオレンジ色を基調とした照明とVJ、そして真ん中の丸い大きなボールを中心に鉄骨が丸く取り囲み、外側にはまるでUFOの足のように変幻自在に動く照明付きの鉄骨が6本付いている。舞台セットというよりも何か巨大な装置に囲まれているよう。
「出演者のラインナップを決めるのは野球の打順を決めるのに近い感じ」と語る石野卓球がここ数年WIREのトップ・バッターに選んでいるのがDJ TASAKA。もはや“WIRE・18時の風物詩”と化しているが、続々とアリーナに集まる観客を、ディスコな選曲でキモチよく乗せるテクなら、やはりTASAKAがピカイチなのだ。去年はニルヴァーナなどをマッシュ・アップした彼だが、今年は来日記念の意味合い(?)なのか、ビースティー・ボーイズの定番クラシックス「Fight for Your Right」でフロアをガンガン盛り上げてくれた。
DMXクルーと並ぶドイツのエレクトロ野郎ことアンソニー・ローテル。カンフー風ヘアに胴衣の出で立ち、イヤーマイクまで装備し、見るからに張り切りモードで登場。前後左右に設置された数台のシンセ類をたくみに操りながら、ドン、タ、ドンドッ、タという典型的なエレクトロ・ビートを作り、ベース、スネアをどんどん上に乗せていく。そして、大きな体をくゆらせながら、ヴォコーダーで歌う。途中でなぜか体育教師御用達のハンドスピーカーまで取り出す……が、それを使ってもちろん、歌う。思わずにこやかになってしまう光景なのに、流れている音はダークなドイツ直送エレクトロ。しびれた。
21:10にオンタイムで始まった、電気グルーヴにとって3年ぶりの横浜アリーナ、そして3年ぶりのライヴ・ステージ。フロア中央のスクリーンには懐かしのTV番組に電気が出演した際のVTRや、今までに制作された様々なビデオ・クリップが映し出され、それらがまるで走馬灯のように小気味よくミックス。ファンはそれだけでもう涙、なのだ。
「ドリルキング社歌」が流れる中、電気の二人が姿を現す。ピエール瀧はなんとスキンヘッドにサングラス、白いスーツに毛皮の襟巻きという、季節完全無視なマフィア風ファッション。“世紀の発明品”セグウェイに乗って颯爽と登場だ。かなり器用に乗りこなしているところを見ると、相当練習を重ねたに違いない。
時間が短いながらも電気グルーヴらしさが濃縮されたライヴを展開。「ガリガリ君」〜渡瀬恒彦「裸の王様」への流れは絶妙で、何故かフロアでは全員で♪やってきた〜やってきた〜と合唱する場面も。「電気ビリビリ」では卓球がステージ前方に飛び出して来て1フレーズ歌うなど、とにかくパワフルな30分。最後は瀧&オーディエンスの「富士山!」コールで締めくくった。
“もうちょっと観たーい!”な腹八分目感は残ったが、それはまた次の機会(=ライヴ)で完全燃焼させてくれることだろう。
リキッド・ルームで行われた7hoursの時にも思ったことだが、やはりピエール瀧のステージ上での存在感は圧倒的。歌ってても歌ってなくても楽器を演奏しなくても、“電気グルーヴ”にとっての必然である、そのことを再認識したライヴだった。
今後はレコーディングに入るそうだが、新曲はいったいどんな球投げてくるのか、楽しみで仕方ない。

【セットリスト】
・ガリガリ君
・誰だ!
・スマイルレス スマイル
・虹
・電気ビリビリ
・富士山

ここらで休憩&食事のため、アジアン料理満載のワールド・カフェへレッツゴー。
WIRE04ご飯日記へ
ライヴ開始の少し前にセカンド・フロアに向かうと、3箇所ある入り口の、どのドアの前にも人だかりが出来ていて、通路を完全に塞いでしまっているのだ。係員が拡声器で必死に立ち止まらぬようお願いをするが、いっこうに人山は動こうとしない。
デビュー・アルバムが卓球のレーベル、PLATIKからのリリースということもあり、いったいどんなライヴを展開するのか?と注目される中でのWIRE初出演だっただけに、新しい音に敏感な人々が大挙して詰め掛ける事態となっていたのだ。
▲セカンド・フロアは入場規制になり、入れない人々が入り口付近に詰め掛けた。
人込みの隙間からわずかに見えるライトの先には、エイサースタイル──頭にサージを巻いた琉球ディスコの二人がステージに上がっている。
ライヴ前半は新曲を、中盤にカチャーシー(※沖縄を代表する手踊り。速弾き三線のにぎやかなリズムに合わせて踊ること、またその音楽を指す)、後半は『LEQUIO DISK』から「zan (in waves)」、「more summer」などを披露。途中、沖縄の太鼓・パーランクーでオーディエンスを煽れば、ギュウギュウ詰めのフロアからは歓声が上がり、その歓声を受けて通路では、フロアに入れなかった人々が、各自が中の様子を思い描きながら、聴こえてくる音に合わせて踊る“想像ライヴ”を繰り広げていたのが印象的だ。
'99年の大ヒット・ナンバー「KERNKRAFT 400」の時には2人だったが、いつの間にかワンマン・ゾンビーになっていたことにまずびっくり。しかし、あのショウ的ライヴ・パフォーマンスは相変わらず健在だった。今回も、ゴミ寸前のはぎれを白いガムテープで頭から足まで適当にくくりつけるという変な衣装で現われ、動作も大振りに、かなり低音のパンチが効いた曲を連発する。5人組のダンスチームまで登場し、まさしく「スリラー」なゾンビ・ダンスを繰り広げ、本人も曲をかけっぱなしにして踊りに加わったりするなどの適当っぷりがフロアの笑いを誘い、大いに盛り上がった。1人になったことが影響してか、音的には若干シンプルになり過ぎた感じは否めなかったが、ライヴのインパクトで言えば2日通してもNo.1だったのではないだろうか。


取材・文/ワシノミカ、佐藤裕子


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▼WIRE04オフィシャル・サイト: http://www.wire04.com/

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